「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

優勝候補No.1!なでしこリーグの王者、日テレ・ベレーザ

2017 3/29 18:30Aki
サッカーⒸShutterstock.com
このエントリーをはてなブックマークに追加

Photo by Evgenii Matrosov/Shutterstock.com

主要のアジア、国内タイトル獲得数はなでしこリーグ最多。 また、L・リーグ、なでしこリーグと名称が変わっても、1997年以来20年間で半分となる10度の優勝だけでなく、優勝を逃した残り10回も2位という圧倒的な成績を残す日テレ・ベレーザ。 そんな圧倒的王者の2017年を展望する。

チームが誕生したのは1981年

現在の日テレ・ベレーザの前身となった「読売サッカークラブ女子・ベレーザ」が誕生したのは1981年。東京ヴェルディの前身である読売サッカークラブの女子チームとして創設。読売クラブは、Jリーグ開幕前から、その他のチームのように社員の福利厚生や宣伝を目的とした企業チームではなく、さまざまな職種の選手が集まるクラブチームだったため、それと同じ形態のチームだった。
皇后杯全日本女子サッカー選手権大会には1983年の第5回大会から参加。1989年に日本女子サッカーリーグが発足すると、その創設6クラブの1つとして参加。この6チームで現在も存続しているのは日テレ・ベレーザの他に伊賀フットボールクラブくノ一の2チームのみだ。

初優勝は1990年、そして澤穂希選手の加入

チームが初のリーグ優勝を達成したのは2年目のシーズンとなる1990年。当時のチームには現なでしこジャパン監督の高倉麻子さんや、解説者としておなじみの大竹七未さんが所属しており、その年からリーグ戦4連覇を達成。
また、1991年には中学1年生の澤穂希さんが、通常なら下部組織であるメニーナに加入するところ、当時の監督の判断でいきなりトップチームに引き上げられることになり、中学1年生にしてトップリーグに出場するだけでなく、3試合目にして初ゴールを決めるというとんでもない記録を残すことになる。
澤穂希さんは、複数チームにわたるアメリカでのプレーを挟み、15シーズンもの間このチームでプレーすることになる。

2011年に訪れたチームの危機を乗り越えたのは

2010年に東京ヴェルディが深刻な経営危機に陥ると、女子チームである日テレ・ベレーザにもその影響が及び、チームの主力であった澤穂希さん、大野忍選手、近賀ゆかり選手らがチームを離れ、シーズン途中まで監督を務めていた星川敬氏と共にINAC神戸に移籍することに。シーズン前には永里優季選手も海外移籍をしており、ほとんどの主力選手がチームを去る危機的状況に陥る。
そんな厳しい状況で迎えた2011年、チームが崩壊してしまう危険性を含んだシーズンだったが、数少ないチームに残った主力選手だった岩清水梓選手らのベテランと岩渕真奈選手、永里亜紗乃さん、木龍七瀬選手ら下部組織出身の若手選手との融合が成功し、優勝こそINAC神戸に譲ることになったが、2位でシーズン終了。その後数シーズンは2位が続くが、2014年に再びタイトルを奪還する。

充実のシーズンとなった2016年

2連覇を目指した2016年は登録選手がわずか18人ながらも、岩清水選手、坂口夢穂選手、有吉佐織選手のなでしこジャパンの中核を担う選手と、田中美南選手、籾木結花選手、長谷川唯選手らアンダーカテゴリーの日本代表選手をずらりと揃える編成で闘うことを決断。
18人中10人が20歳以下というかなり若いチームながらも、そのほとんどが下部組織出身というクラブの強みを活かし、完成度の高いチームを作り上げることに成功し、リーグ2連覇を達成。 若返りと強さを両立させるという充実のシーズンを過ごすことになった。

さらなるブレイク必至の若手選手たち

チームの大黒柱である岩清水選手や有吉選手はもちろんだが、注目なのはアルガルベカップを戦うなでしこジャパンにも選出された、MF中里優選手、MF長谷川選手、FW田中選手、FW籾木選手の4名と、U-23代表に選ばれたDF清水梨紗選手、MF隅田凜選手、MF三浦成美選手の3名の若手選手たち。
田中選手は昨季のリーグ得点王、籾木選手は伝統あるクラブの10番を背負い優勝を経験しているので、もはやリーグを代表するスター選手と言っても良い存在となったが、今季はさらなる成長が期待される。

まとめ

今季は精力的な補強を敢行しているチームもあり、激戦が予想されるなでしこリーグだが、そんな中でも日テレ・ベレーザが優勝候補ナンバーワン。 強さと華麗さが同居するサッカーは注目だ。 なでしこリーグを見るなら日テレ・ベレーザは外せない!