ポジション別につけられた背番号
サッカーの背番号はもともとは古い形のフォーメーションのポジションによって振り分けられていた。今では考えられないのだが、ピラミッド型と呼ばれる2-3-5をもとに背番号が決められていたのだ。それで言えば8番はFWの右側となる。攻撃的なポジションであるという認識で間違いないのだろう。現在は、攻撃的、守備的といった2パターンで分けてしまえば、この当時の背番号の振り分けの名残があるが、基本的にはポジションによって決められる背番号はないのだ。
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10番ほどの派手さはないが、平均値が高く堅実なプレーヤーがつけるイメージのある背番号8番。今回は、背番号8番を背負う意味を紹介する。
サッカーの背番号はもともとは古い形のフォーメーションのポジションによって振り分けられていた。今では考えられないのだが、ピラミッド型と呼ばれる2-3-5をもとに背番号が決められていたのだ。それで言えば8番はFWの右側となる。攻撃的なポジションであるという認識で間違いないのだろう。現在は、攻撃的、守備的といった2パターンで分けてしまえば、この当時の背番号の振り分けの名残があるが、基本的にはポジションによって決められる背番号はないのだ。
日本代表で、背番号8番は7番や10番のように一定の選手が長期に渡り、背負い続けてきた番号ではない。しかしチームにとってキープレーヤーとなりえる選手がつけてきた。かつて日本サッカーの中心人物だった前園真聖や中田英寿、森島寛晃や小笠原満男など、日本代表でもスターティングメンバーを勝ち取ってきた実力者がつけた番号だ。どの選手もボランチより前線よりのポジションが得意な選手達だった。現在では中盤の要となる、清武や原口がつけることが多い。
ここ数年間、世界のトップに君臨し続けているFCバルセロナ。このバルセロナの8番と言えば、最大の武器であるポゼッションサッカーを支えるアンドレ・イニエスタだ。メッシと並び、バルセロナの黄金期を支える最重要人物であり、スーパースターだ。各国代表の背番号8番と言えば、ブラジル代表ではカカが背負い、アルゼンチン代表ではベロンやサネッティが、イングランドではスコールズやランパードが背負うなど、スター選手の多くがつけている番号と言える。
バルセロナのイニエスタはボランチより前のMF的ポジションから、ウィンガーやシャドウストライカーまでこなす万能プレーヤーだ。カカはMFやFWなど攻撃に特化したプレーヤー、ベロンはボランチやトップ下を得意とし、スコールズやランパードはセントラルMFが大の得意ポジションだ。どの選手も攻撃が得意な選手ばかり。もしかすると、攻撃の要とも言える重要な仕事を担っているのが、この8番なのではないだろうか。
Jリーグで8番が強い意味をもつチームがある。それがセレッソ大阪だ。C大阪にはかつて日本代表の中盤を支えた森島寛晃と呼ばれる選手がいた。森島はミスターセレッソと呼ばれC大阪ファンに絶大な支持を得ていたのだ。その森島が10年以上に渡り背負った番号が8番だ。森島の後は海外に飛び立つ前の香川真司がつけ、清武弘詞、そして柿谷曜一朗に引き継がれている。間違いなく10番よりも印象に残る選手達で、そのときのチームの中心人物だ。C大阪にとっての8番はチームを支える選手がつける重要な背番号であることに疑いの余地はないだろう。
背番号8番は攻撃の要となるMFがつけることが多いようだ。10番程の派手さはないが、決定的な仕事も確実にこなすようなプレーヤーが多いように思える。虎視眈々とチャンスを伺い、相手にとどめをさす、言わば陰の立役者とでもいうべきだろうか。8番が注目をあびるべき試合も多い。