2016年のヤングなでしこを中盤で支えた杉田妃和選手
杉田妃和選手は、1997年1月生まれの現在21歳。2016年U-20女子ワールドカップにおいて、ヤングなでしこの中核を担った選手だ。
兄の影響で小学生時代からサッカーを始めた杉田選手。女子サッカーの名門、藤枝順心高校に入学した15歳の時に飛び級でU-17日本代表入りを果たし、U-17女子ワールドカップに出場している。2014年、自身2度目となるU-17女子ワールドカップでは主将として日本の初優勝に大きく貢献、大会最優秀選手に輝いた。
その時のメンバーが8人揃った2016年のU-20女子ワールドカップでは、優勝を目標に定めたヤングなでしこだが、準決勝でフランスに1-2と惜敗。しかし3位決定戦ではアメリカに勝利し、見事3位という結果を残した。そして杉田選手はこの大会でも最優秀選手に選ばれている。
脅威の成長力で得点王に上り詰めた上野真実選手
杉田選手とともに2016年のU-20女子ワールドカップを戦った上野真実選手は、中学校から本格的にサッカーを始めた。小学生の頃は水泳をしていた上野選手だが、九州の女子サッカー名門校である神村学園で中学・高校を過ごし、身体能力を生かして成長を遂げていった。
2015年に環太平洋大学短期大学部へ入学すると、なでしこリーグ2部の愛媛FCレディースと2足のわらじでサッカーに打ち込み、FWとして持ち前の得点力を開花させる。そして2016年、遂にヤングなでしこへの初招集を受けた。
エリート揃いの代表チームで得点感覚をさらに磨き、U-20女子ワールドカップで3位に輝くヤングなでしこの原動力となった。この大会で5得点を挙げた上野選手は、得点王の栄冠を獲得している。
メッシを目標に奮闘する小柄なサウスポー、籾木結花選手
所属する日テレベレーザ、ヤングなでしこでともに10番を背負う「左利きの天才」籾木結花選手。ニューヨークで生まれ3歳までを過ごした帰国子女の籾木選手は、153cmと小柄ながら類まれなサッカーセンスを持つ。一方で「もみちゃん」というニックネームが似合う、かわいらしい一面もある。セカンドネームの「ニコル」も似合ってる。
東京で育ち、サッカーは小学校から始めた。中学3年でU-16女子日本代表に選出されるなど将来を嘱望される存在だ。杉並高校から慶応大学へと進学しながら、ベレーザでも替えの利かない選手へと成長した。
ヤングなでしこの主要メンバーとして出場した2016年U-20女子ワールドカップ、初戦のナイジェリア戦で先制点を挙げるなど、籾木選手は攻撃の重要な役割を担い、目標としているメッシ選手のような活躍を見せた。
不屈の魂で現役復帰を果たした藤田のぞみ選手
ヤングなでしこは2012年に日本で開催されたU-20女子ワールドカップでも3位の成績を収めている。この大会でチームのキャプテンを務めたのが藤田のぞみ選手だ。
小学1年からサッカーを始めた藤田選手は、日ノ本学園高校を卒業した2010年に浦和レッズレディースへ入団、初年度から活躍して新人賞を獲得した。また、この年ドイツで行われたU-20女子ワールドカップにも出場、日本はグループリーグで敗退したが、藤田選手はボランチとして全試合を戦った。
これらの活躍ぶりから、近い将来のなでしこジャパン招集も期待された藤田選手。しかし、2014年から発症したオーバートレーニング症候群により、2015年シーズンで現役を一度引退した。その後、地元島根のクラブチームで復帰の足掛かりを掴み、2017年にはなでしこリーグ2部の岡山湯郷Belleに入団している。
覚醒を続けるゴールゲッター、横山久美選手
横山久美選手も、2012年のU-20女子ワールドカップで日本の3位に貢献した1人だ。この時、横山選手はヤングなでしこの10番をつけていたが、スタメンではなく、大器の片鱗を見せるに留まっていた。しかし、ドリブルで相手をかわしてシュートレンジに持ち込む技術は高い評価を得ており、2010年のU-17女子ワールドカップで衝撃を与えた6人抜きのゴールはFIFA年間最優秀ゴール賞にノミネートされたほどだ。
そんな横山選手は、2014年にAC長野パルセイロ・レディースへ入団して覚醒する。当時チャレンジリーグに所属していたパルセイロを、わずか2年でなでしこリーグ1部に導く大活躍を見せ、一気になでしこジャパンの一員までのし上がった。
まとめ
ヤングなでしこには才能に恵まれた多くの選手が名を連ねてきた。そして世界3位という結果も残している。
その力をなでしこジャパンに還元していくことができければ、きっと2度目のワールドカップ優勝、そして東京五輪の金メダルへと道が続いていくだろう。