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スキーと射撃を組み合わせたバイアスロンとは

2016 11/19 13:39
スキー
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Photo by Petr Toman/Shutterstock.com

日本では知名度が低いですが、オリンピックの種目にもなっている“バイアスロン”。バイアスロンという言葉は二種競技を意味しており、クロスカントリースキーと射撃を組み合わせたスポーツ。そこでバイアスロンの歴史やルールなどをご紹介していきます。

バイアスロンとは(1)バイアスロンの起源

クロスカントリースキーと射撃の複合スポーツ“バイアスロン”のはじまりは、雪の降る冬に山や野を駆け回って獲物を仕留める“狩猟”が原型です。食料などを獲るため生活の一部だった狩猟が、雪中戦や森林警備隊の鍛錬や技術向上のために用いられました。
1700年代の後半にはノルウェーとスウェーデンの軍人が、スポーツとしておこなったのが競技のはじまりと伝えられています。そして1861年にはスポーツ競技として、世界初のスキークラブ「トリンシルライフル・スキークラブ」が設立されました。

バイアスロンとは(2)オリンピック種目としての歴史

1924年に開催された「シャモニー冬季オリンピック」で、バイアスロンは軍事偵察競技という名目で公開競技がおこなわれました。
その後は3回にわたって開催。そして1960年の第8回「スコーバレー冬季オリンピック」で男子の正式種目に採用。1992年の第16回「アルベールビル冬季オリンピック」では女子も正式種目となりました。
今までさまざまなルール改定がありましたが、もっとも大きな変更は1976年の改正で、30口径ライフル弾の大口径銃から22口径競技用ライフル弾を使用する小口径銃へと変わりました。

バイアスロンとは(3)バイアスロンの7つの種目

バイアスロンの種目はインディビジュアル(個人)・パシュート(個人追い抜き)・スプリント(短距離)・リレー・ミックスリレー(男女混合)・マススタート・スーパースプリントクオリフィケーションファイナルの7種にわかれています。
どの種目も距離や射撃回数など細かく違いますが、基本的にはスキーで射撃ポイントまで走り込み、的をめがけて射撃をおこないます。当然スキーで走ってきたため、呼吸や心拍が乱れた状態のなかで正確な射撃精度が求められます。

バイアスロンとは(4)北欧諸国では人気競技

バイアスロンはスポーツ競技とはいえライフル銃を扱うことから、世界的に見れば競技者は警察官や国境警備隊、軍隊などに所属していることが多いです。
しかしヨーロッパにおいてはバイアスロン競技者に民間人も多く、賞金レースなどに出場しているプロも存在しています。またバイアスロン発祥の地とされる北欧の諸国では、シーズンになると毎週のように大会が開催。
人気の高いスポーツとなっており、競技人口が充実していて環境も整っています。

バイアスロンとは(5)日本におけるバイアスロン

日本でのバイアスロン競技は銃刀法の問題もあり、競技者は自衛官がほとんどです。なかでも陸上自衛隊冬季戦技教育隊や普通科連隊、戦車部隊や特科連隊に部隊に所属する人が多いです。
国際大会などは競技用のライフルを使用しますが、日本での大会には自衛隊のライフルを使用する場合があります。その場合の競技ルールは一般銃として分類され、競技用ライフル選手とわけて競技を開催します。
またバイアスロンでの日本人記録は、1998年に開催されたオリンピックでの高橋涼子選手の6位入賞が最高順位となっています。

まとめ

日本では知名度の低いバイアスロンの歴史やルールをご紹介しました。バイアスロンはクロスカントリースキーとしての“動”の部分と、ライフル射撃における“静”の両方が求められる競技で、ヨーロッパでは人気のスポーツとなっています。