ヘルメットの役割
スケルトンの氷で固めた硬い滑走路と、曲がりくねったコースを見せられると、ヘルメット着用が義務付けられるのもうなずけますね。
IBSFではすべての競技大会において、公式練習と競技の双方で安全なヘルメットの着用を義務付けています。認められるヘルメットは、頭部と耳の周辺を覆っていなければいけません。そのほか、表面は滑らかで、粘着物やくぼみ、形状に関する規定もあり、自国内の連盟よって様々です。
Photo by Daniel Huerlimann-BEELDE / Shutterstock, Inc.
最高時速140kmとも150kmとも言われるスケルトン競技にヘルメットは欠かせませんね。 ヘルメットは、思わぬ事故から自分を守ってくれるのはもちろんですが、自己表現の場でもあるようです。 ここでは、スケルトンのヘルメットについて、役割のほかにも面白いペイントなどをご紹介します。
スケルトンの氷で固めた硬い滑走路と、曲がりくねったコースを見せられると、ヘルメット着用が義務付けられるのもうなずけますね。
IBSFではすべての競技大会において、公式練習と競技の双方で安全なヘルメットの着用を義務付けています。認められるヘルメットは、頭部と耳の周辺を覆っていなければいけません。そのほか、表面は滑らかで、粘着物やくぼみ、形状に関する規定もあり、自国内の連盟よって様々です。
2014年ソチオリンピックでは、ヘルメットに思い思いのペインティングをした面白ヘルメットが登場して、観客を多いに楽しませてくれました。スケルトンの滑降時、競技者の体勢は前に向いてソリに腹ばいになっているため、頭部を覆ったヘルメットと背中しか見えません。ヘルメットを面白くして、自己アピールをしたい気持ちもよくわかりますよね。
そこで見事なペイントの登場となるわけですが、今までどおりのヘルメット組と面白ヘルメット組は、お国によって分かれたようです。日本選手団は、いつもどおりのヘルメットでした。
面白ヘルメットの中でも注目されたのが、カナダのジョン・フェアベアン選手の、脳の図柄をペイントしたヘルメットです。奇抜なアイデアとして世界中に配信されて話題になりましたが、日本では「人造人間キカイダー」に登場するハカイダーの頭部に似ているところから、ハカイダーヘルメットと呼ばれました。
ジョン・フェアベアンは、残念ながらメダルは獲れませんでしたが、自己アピールがこれだけ世界中から注目されれば、満足だったのではないでしょうか。カナダの選手は男女とも面白ヘルメットをかぶっていました。
アイルランドのショーン・グリーンウッドも、面白ヘルメットをかぶった一人です。図柄は抽象画か、スケルトンをもじった動物の頭蓋骨か不明でしたが、自己アピールには十分効果的なヘルメットでした。
本番1回目を21位で終えた2回目の滑走では、カーブを曲がり切れず横転してしまいます。しかし、何とか体勢を立て直すと、そのままゴールして27位ながら3回戦に進みました。結局4回戦には進めず、3分01秒32のタイムで27位で競技を終えましたが、驚異の体勢立て直しと面白ヘルメットで忘れられない選手になりました。
アメリカのケイティ・ウレンダーのヘルメットは、アメリカ国旗に鷲の顔をデザインした迫力満点の面白ヘルメットでした。スーツにも星条旗がデザインされていて、滑るアメリカ合衆国といったいでたちです。選手たちは、面白ヘルメットの目的は自己アピールと他の選手の威嚇と言っていますが、鷲の鋭い眼光は十分に威嚇効果もあったようです。
本番の成績の方は今ひとつ振るわず、メダルには届きませんでしたが、同じアメリカの面白ヘルメット組ノエル・パイクスペースが銀メダルを獲得しました。
ヘルメットの役割や面白ヘルメットなど、ソチオリンピックでの話題をもとにご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。 ヘルメットでインパクトを与えれば、本番にも自信を持って臨めるのかもしれません。 2018年の平昌オリンピックでは、どんなヘルメットが登場するのか楽しみですね。