サンウルブスがスーパーラグビー撤退、外国籍選手の代表資格が厳格化
ラグビーワールドカップで、目標のベスト8を達成した日本代表。しかし、今後の強化には、大きな課題が存在する。サンウルブスがスーパーラグビーを撤退せざるを得なくなったのだ。
また、2020年以降にラグビーの代表資格を外国籍選手が得るには、これまで3年間の居住で認められていたものが、5年となることが国際統括団体のワールドラグビーから通達された。これにより、外国籍選手による強化が、今よりも難しくなる。
ラグビーワールドカップで、目標のベスト8を達成した日本代表。しかし、今後の強化には、大きな課題が存在する。サンウルブスがスーパーラグビーを撤退せざるを得なくなったのだ。
また、2020年以降にラグビーの代表資格を外国籍選手が得るには、これまで3年間の居住で認められていたものが、5年となることが国際統括団体のワールドラグビーから通達された。これにより、外国籍選手による強化が、今よりも難しくなる。
これまで以上に日本国内の選手を強化しないと、せっかく縮んだ世界との距離がまた離れてしまう恐れがある。強豪国の選手は代表チーム以外にも日常的に国際大会を戦っている。残念ながら現状、アジア地域は参加可能な国際大会が極端に少なく、実力だけでなく実戦機会という面でも世界のトップレベルとは大きな差がある。
プロ化で実力をつけて、もう一度スーパーラグビーに呼んでもらうという道もある。しかし、実力は埋められても、移動距離や時差はどうにもならない。煙たがられた挙句、成績を落として再度スーパーラグビーを撤退、という懸念が常に付きまとう。
日本が主体となって、周辺地域に世界最高水準の大会をつくるという大きなビジョンは間違っていない。世界で勝つための長期的な強化戦略には必要なものだ。
日本ラグビー協会は、清宮克幸副会長が旗振り役となり、環太平洋リーグの設立に動き出している。新設されるプロリーグは日本にラグビー文化を根付かせ、日本代表の強化につなげる上で非常に重要な役割を果たすことになる。
日本のラグビーは、企業の支援で大きく発展したが、もし不景気等で企業が撤退するとたちまち立ち行かなくなる。プロ化とは日本のラグビーが末永く栄えるための仕組みづくりでもあるのだ。
全容すら判明していないこの時点であれこれと考えても気が早すぎるが、一体どのようにしたら、日本に南半球や欧州のラグビー先進地域に匹敵するレベルのプロリーグをつくることが出来るのだろうか。
2021年秋の開幕を目指すリーグは、現在トップリーグに所属するチームを中心に、8チームが参加する見込みだという。日本国内のプロリーグ運営が軌道に乗ってから、海外チームに打診する流れになるだろう。
ハイレベルの大会をいち早く創設するには、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドといった強豪国のチームを多く呼ぶのが近道だ。しかし、それだけではスーパーラグビーが北半球にできるだけで環太平洋リーグとは言い難い。
強化に時間はかかるだろうが、地縁のあるアジア・太平洋地域からもチームを招待するのはどうだろうか。例えば、シンガポールは、スーパーラグビー参入を日本と競った縁がある。地理的に近い豪州から選手を獲得しやすいだろう。出来ることなら、周辺のASEAN諸国も巻き込みたい。香港は現在、社会不安があるが英国の影響で伝統的にラグビーが盛んだ。願わくば中国本土の人々とも手を取ってチームをサポートしてほしい。
サモア、トンガ、フィジーの連合チームであるパシフィック・アイランダーズが参加すれば、非常にダイナミックで独創的なラグビーを魅せてくれるだろう。どのようにチーム運営の資金を工面するかが課題になるが、放映権料の分配金でどうにかならないだろうか。是非観てみたいチームだ。
そしてアメリカ西海岸からも1チーム欲しい。アメリカ代表クラスに大物外国籍選手を加えたチームだ。スポーツビジネス先進国であるアメリカは市場規模も申し分ない。日本と時差があまりないニュージーランドとオーストラリアから、それぞれ1チームくらい参加があると、更に盛り上がる。
これで、日本8チーム、アジア太平洋地域4チーム、NZ1チーム、豪州1チームの計14チームで構成されたリーグになる。
余りにも壮大で荒唐無稽な展望だが、ラグビーを愛する一人のファンとしてはそれぐらいのリーグが日本に出来ることを期待したい。
海外のオーディエンスは、最初はやはりスーパーラグビーを好むだろうが、経済成長著しいアジア太平洋市場を開拓し経済規模で上回り、その資金力で世界の大物選手を次々に獲得していきたい。
日本のラグビー・トップリーグは、既に世界の一流選手達にとって、プレー環境が整備され、高額の年俸を用意してくれるリーグというイメージが定着している。長い目で見れば、工夫次第で、世界的なリーグになる基盤は備えていると言えるだろう。