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ラグビー観戦で抑えるべきポイントは3つ!W杯前に覚えておきたいプレーの見方

2019 4/21 15:00四家秀治
ラインアウトで競り合うサンウルブズとレベルズの選手,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

何をやってもいいスポーツ それがラグビーだ!

2016年に亡くなられたミスターラグビーこと平尾誠二さんは「ラグビーは何をやってもいい。自由なスポーツ」とおっしゃっていたが、3つの基本的なルール、ポイントに従いプレーし、非紳士的なことさえしなければ本当にラグビーは何をやってもいいのである。

出場全選手がボールを投げても蹴ってもいいし、ボールを持っている人をつかんで倒してもいい。そんな競技は他にない。例えば同じように激しいスポーツであるアメリカンフットボールでもタックルはできてもボールを投げたり蹴ったりすることは全選手には許されていない。まさにラグビーは自由なスポーツなのだ。

ボールを持っての全力疾走とそれを止めるためのタックルというスピード感あるぶつかり合いが観戦する上での最大の魅力である。ラグビー観戦はルールがわかっていなくても、その迫力だけでも十分楽しめる。

抑えるべきルールは3つ アドバンテージルールも理解すればさらに面白く

だが、基本的なルール、見方ぐらいは理解しておいた方がより楽しいことは間違いない。
そのポイントは3つ

①ボールを手で前へ進めてはいけない
スローフォワード、あるいはフォワードパスといった前方へ投げる行為、ボールを前方へはじいてしまうノックオンと呼ばれる行為は、いずれもダメ。

②立った状態でないとボールをプレーしてはいけない
相手につかまれてタックルが成立した状態(両足以外が地面に着いた状態)になったら、すみやかにボールを離さなければいけない。

③ボールより前でプレーしてはいけない(オフサイド)
補足すると、スクラム、ラック、モール、ラインアウトでは、それぞれ仮想上のオフサイドラインが制定され、両チームともにそのオフサイドラインより前でプレーしてはいけない。

この3つである。

ラック(ボールが地面にある状態)、モール(選手が手、腕でボールを持っている状態)のような密集でのプレーがよくわからないという話をよく聞くが、密集での反則は、非紳士的なものを除けばすべて上記②か③に基づいている。

そのため、ボールより前でプレーしてはいけないという基本を理解していれば、観ているうちに「これがラックのオフサイドか」というふうに次第に納得できてくるはずだ。

もう一つ、ラグビーで特徴的なものにアドバンテージルールがある。これは、反則があっても、反則をしていないチームに有利に試合が展開したら、その反則は取らないというもので、レフリーは、反則があってもすぐに試合を止めないのである。

これはサッカーでも時折見られるが、ラグビーでは頻繁にこのルールが適用される。だから試合がより楽しくエキサイティングになるかどうかはレフリーの裁量にかかってくる面もある。これも観戦上のおもしろさだ。

激しいからこそ試合終了後は紳士、淑女に

80分間戦った後は、アフターマッチファンクションでお互いの健闘を称え合うという他競技には見られない文化があり、これがラグビーが紳士のスポーツといわれるゆえんでもある(今は女子ラグビーもあるので紳士淑女の、と表現すべきかもしれない)。

ラグビーが身体をぶつけ合う激しいスポーツであるからこそ、このアフターマッチファンクションに意味があるという見方もできる。俗にいう「ノーサイドの精神」は若干日本的な解釈ではあるが、それでも試合が終わればもう敵も味方もないと、敬意とともにジャージを交換するのは世界中で行われてきたラグビーの伝統である。

近年、競技性を重視するあまり、アフターマッチファンクションがなくなりつつあるのは残念だが、試合が終わればお互いの健闘を称え合うのはラグビーというよりスポーツが本来持つべき姿でもある。そのあるべき姿をはっきりと具現化してきたのがラグビーというスポーツのすばらしさだ。

さあ、以上のことを頭に入れて、ラグビーを観に競技場に行こう!