ラグビー日本代表 どんなチーム?
日本ラグビーのナショナルチーム、愛称は「チェリーブロッサムズ」または「ブレイブブロッサムズ」だ。ユニフォームには、桜の花が誇らしげに咲いている。日本らしい。
2015年のW杯ではエディ監督のもと、「ジャパンウェイ・JAPAN WAY」、多くのチームがキックを交えてゴールラインにボールを進めることを重視するなか、日本代表はボールを長く保持することで、チャンスをつかみ得点に結び付けた。
練習方法や選手の意識など、他の国をまねるやり方ではなく、独自のスタイルを確立することで強さを引き出すことに成功したといえる。グラウンドで選手同士がお互いに指摘し合い、体をはって仲間のためにプレーする!それが日本代表チームだ。
勝利に導いたエディ・ジョーンズ監督
母も妻も日本人であるジョーンズHCは、1996年に東海大学でプロのコーチングキャリアをスタート。その後2003年にオーストラリアをW杯準優勝に導き、2007年W杯でアドバイザーとして南アフリカの優勝に貢献。まさに世界と日本をよく知る名将なのだ。
2012年に数々のオファーを断り日本代表監督に就任。就任会見で、「選手だけ、チームだけでなく、日本ラグビー関係者も同じ気持ちでいくことが大切」と述べていた。世界大会で24年間勝ちがなかった日本選手たちは高校や大学、クラブの日本一になることに満足してしまい、世界で勝つことを諦めがちな選手たちのマインドを変え、世界で通用するようにしたのだ。日本をよく理解しているエディ監督ならではの戦略だった。その練習は世界一厳しく、朝5時から始まるハードワークだった。
フィットネスやフィジカルの強化、体格で圧倒的に劣っていても、外国の選手と互角に闘うために、スクラムとラインアウトのセットプレー、攻撃するラグビーを徹底して練習したのだ。そして選手たちが毎日の練習に必死にくらいついている間、監督は4年後のW杯で勝つための準備を、大きな夢を現実に叶えるプランを綿密に描いていた。
ラグビーワールドカップ2015のハイライト
ラグビーは紳士のスポーツであることは触れたが、選手だけでなく観客にもいえるようだ。
2015年のW杯、イギリス・ブライトンにて行われた対南アフリカ戦、試合の経過とともに、会場の観客がプレーに見入られ、ラグビーの醍醐味に陶酔していたかのようだった。汚い野次や罵声はなく、「ジャパン」コールが何度も何度も繰り返し会場を包み込んだそうだ。
試合終盤、ベンチはペナルティゴールを指示、同点に引き分けることを選んだ。しかし、グランドのリーチマイケルキャプテン他ブレイブブロッサムたちは、スクラムを選択、トライすることを選んだのだ。そして歴史的トライ!南アフリカのサポーターですら、落胆しながらも日本代表を称えた。
南アフリカは世界第3位のチームで、W杯勝率大1位、これまでニュージーランドとオーストラリア以外の国に負けたことがない、ラグビー強豪国なのだ。真剣な試合への闘志・気魂が観客を魅了し勝ち負けを超えて、感動を与えたのだろう。2019年のW杯は新監督により、さらに高みへのぼる日本代表を観たい。そしてここまで日本ラグビー代表に変化をもたらしたエディ・ジョーンズ氏には、いつかまた日本に来てくれることを願う。
まとめ
有名なラグビー用語として、「ノーサイド」がある。これは他のスポーツでいうところの、ゲームセットやタイムアップにあたる。単なる試合終了の合図ではなく、試合が終わればサイドがないから敵も味方もないという意味を含んでいる。
ラグビーの精神を表している言葉といえる。ケガをするかもしれないほどの、激しいスポーツゆえに紳士的な態度や精神が重要とされているのだ。