ボート競技って?
ボート競技は、水上の一定の距離をボートに乗ってオールで漕ぎ進める速さを競い合うスポーツです。
かつては貿易などの交通手段として使われていたボートですが、1900年の第2回パリオリンピックから競技として開催されるなど、伝統的なスポーツとしての一面があります。
単純なルールで初心者にもわかりやすく、個人種目だけでなく団体種目もあること、風や水面の状態など自然条件によってレース展開が左右されることなど、奥深さもある競技です。
Photo by ChaiyonS021 / Shutterstock.com
水上でスピードを競い合うボート競技。 一見単純そうに見えるこの競技にも、さまざまな種目やルールがあり、ハイレベルなレースの中に複雑な要素が含まれているのです。 そこで今回は、初心者の方向けに、ボート競技の基礎知識をご紹介します。
ボート競技は、水上の一定の距離をボートに乗ってオールで漕ぎ進める速さを競い合うスポーツです。
かつては貿易などの交通手段として使われていたボートですが、1900年の第2回パリオリンピックから競技として開催されるなど、伝統的なスポーツとしての一面があります。
単純なルールで初心者にもわかりやすく、個人種目だけでなく団体種目もあること、風や水面の状態など自然条件によってレース展開が左右されることなど、奥深さもある競技です。
ボート競技の種目には、大きく分けて「スウィープ」と「スカル」の2つがあります。1人が1本のオールで左右どちらかを漕ぐ方法をスウィープ、1人が2本のオールで左右対称に漕ぐ方法をスカルといいます。
競技会ではスウィープとスカルは細かく分類されて行われます。1人で競技するシングルスカル、2人競技のダブルスカルとペア、4人競技のクォドルプルスカルとフォア、8人競技のエイトです。さらに、これらに舵を取る選手を加えた形の種目もあります。
オリンピックをはじめとする実際のボート競技では、2000mの距離で速さを競い合います。あらかじめ船首を発艇線(スタートライン)に並べた状態で、発艇員の号令と同時に赤旗が振り落とされるとスタート。そして、船首に付けられたバウ・ボールがゴールラインを通過した順で勝敗が決まります。
ボート競技における反則としては、フライングを2度すると除外となってしまいます。また、レース中に伴走することや、通信機器などで外部から指示を出したりすることは禁止となっています。
エイトなど大人数の選手で競う種目の場合、クルーと呼ばれる選手でチームを構成します。速いスピードを出すためにクルー全員の息を合わせる必要があるボート競技では、このクルーのポジションが重要になっています。
まず、舵付きの種目の場合、コックスが必須となります。コックスは進行方向を向いて最短距離で走破できるように舵を取る役割です。また、他のボートの様子を見ながらペース配分を考えて全体に指示を出すリーダー的存在でもあります。
次にバウと呼ばれる一番船首側に位置するポジション。他のクルー全員を見ながらオールさばきを合わせるための指示を出します。
反対に船尾側はストロークと言います。他のクルーから見られる位置にあるため、クルー全体のオールさばきの基準となる存在です。
そして、中間に位置するミドルクルーが、コックスやバウの指示、ストロークのピッチに合わせて、クルー全体のエンジンとなります。
ボート競技で一般的に使用されるのが「シェル艇」というボートです。速度が出せるように全体が細長い構造になっているため、バランスを崩すと転覆しやすい仕様になっています。大会では種目ごとに最低重量が決まっています。
スウィープで使用するオールは長さ約3m、重さ約2.5kgのもの。スカルでは、スウィープよりも小さなオールが使用されます。
実際にオールで漕ぐことをストロークと言います。
ストロークでは、スピードを出すためにオールと水面の接触を少なくする必要があります。そのため、クルーはオールを水中に入れた時にしっかりと先端のブレード部分で水を掻き、ブレードを水平にして水面から出すフェザーという動作を行っています。
普段ボート競技になじみのない方は、公園にあるボートをイメージしたかもしれません。 しかし、ボート競技は意外にも歴史あるスポーツで、また、スピードを出すためにはさまざまなスキルが必要なのです。 ボート競技に興味を持たれた方は、ぜひ一度競技大会などに足を運んで観戦してみてはいかがでしょうか。