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プロレスに華を添える名実況と実況者をご紹介

2017 2/9 18:26
リング,ⒸShutterstock.com
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Photo by cigdem/Shutterstock.com

鍛え上げられた肉体のレスラーたちが、リングで己の技をぶつけ合うプロレス。そんな迫力満点のプロレスに、さらに華を添えるのがリングサイドから試合を伝える実況者だ。そこで時代を彩る名実況でおなじみ、人気の実況者たちを紹介していく。

昭和プロレスの名実況者“清水一郎アナウンサー”

初期プロレス界を支えた名実況者として有名な清水一郎アナウンサー。昭和のプロレスファンにとって絶大の人気を誇った力道山選手やジャイアント馬場選手、アントニオ猪木選手らのレスラーの試合を長きにわたり担当してきた。
日本テレビで放送されていた「ダイヤモンドプロレス」を担当しており、昭和のプロレスファンなら必ず耳にしたことがある実況者だ。特徴的な表現を駆使した実況スタイルや、ジャイアント馬場選手の技を命名するなど、現在の実況者のスタイルや基礎を作った。

比喩表現を巧みに使った名実況でおなじみの“古舘伊知郎アナ”

2016年3月まで長期にわたって「報道ステーション」の司会者を務めたことから、ニュースキャスターとしての知名度が高い古舘伊知郎さん。実はプロレスや競馬、F1といった実況でも人気となった名アナウンサーだ。
テレビでは「ワールド・プロレスリング」を10年間にわたり担当。そんな古舘さんの得意とする手法は、比喩表現を使ったオリジナルのフレーズ。そして、数々の言葉を一切噛まずに早口で実況、それでいて聞きやすい日本語で、さらに試合を盛り上げる。すべてが独創的であり、プロレスラーを際立たせることはもちろん、実況者としても人気が出たアナウンサーは、古舘さんが初めてではないだろうか。

感情がこもった名実況が印象的な“辻よしなり”

現在はフリーアナウンサーとして活躍している辻よしなりさん。古舘伊知郎さんが降板した後の「ワールドプロレスリング」を担当した。古舘伊知郎さんと同じく、感情や気持ちを込めて実況をするのが得意であり、しばしば興奮して奇声をあげることもある。
特に代表的な試合は、橋本真也選手が小川直也選手と引退を賭けた戦いで、生中継でありながら「橋本立ってくれ!」と泣きながら叫び実況。また、花道での「34歳の葛藤と迷いと傷心が、今ゆっくりと戦場に上がって参りました」というフレーズを、「最高に決まったと思う」と自身で語っている。

プロレス実況がしたくてアナウンサーになった“平川健太郎”

プロレス実況がしたくてテレビ局に入社しアナウンサーになった平川健太郎さん。学生時代のレスリングの経験を生かしたプロレス実況だけでなく、野球やマラソンなど、スポーツ全般の実況をしている。平川さんの特徴は、ズバリ“冷静沈着”。状況を把握して解説者と詳しく解説するスタイルだ。 そんな彼の最高と称される実況は、2005年に開催された“三沢光晴VS川田利明”の試合。「馬場さんのプロレスを守るためにノアを立ち上げた三沢。馬場さんが築いた城を守るために全日本に残った川田。どちらが偉いとか、尊いとか、かっこいいとか、そんなことは問題ではありません!これは二人の男の生き様だ!」と冷静沈着に二人の生きざまを語った実況だった。
また、後の故・三沢光晴氏の追悼セレモニーでも、伝説となる実況をしたのも記憶に新しいところだ。

数々の名実況と珍実況を生んだ“マサ斎藤”

プロレスの名実況に名を残すのは、何もアナウンサーだけではない。海外で成功したことでも知られるマサ斎藤さんは、プロレスの名解説者としても有名だ。数々の名実況と珍実況を生み出したことで、今でもプロレスファンに語り継がれている。
中でも、あの覆面レスラーを解説した「いやあ、ムタも武藤も一緒なのでね」という名実況……というか珍実況は有名だ。他にも、覆面レスラーに対して本人のことを詳しく語ってしまうなど、マサ斎藤さんのストレートな性格が出た名言が多々ある。しかし、その一方でプロレスラーとしての鋭い観察眼と、欧米滞在が長いことによる語学感覚が人々を魅力する実況者でもある。

まとめ

プロレスに華を添える名実況と実況者を紹介した。 鍛え上げられた選手たちを見るだけでもプロレスを堪能できるが、アナウンサーの実況も楽しみのひとつ。 プロレスだけでなくスポーツ全般に言えることだが、詳しい解説者と試合を盛り上げるアナウンサーがいた方が、スポーツをより楽しめるだろう。