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東京五輪、8月8日は「スーパーサタデー」最多30種目決勝

2019 5/5 07:00田村崇仁
整列する侍ジャパンの選手らⒸゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

侍ジャパンに男子サッカーも

2020年東京五輪の詳細な種目別の競技スケジュールが4月16日に発表され、競泳に加えてバスケットボールやビーチバレー、陸上のトラック、フィールド計9種目などの決勝が午前のセッションに組み込まれた。巨額の放送権料を支払う米テレビ局の意向が反映され、時差のあるゴールデンタイムの夜の放送に合わせた形だが、日本列島は朝から晩まで連日のメダルマッチで五輪一色に染まることになった。

東京五輪日程表,ⒸSPAIA

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史上最多33競技339種目が42の競技会場で繰り広げられ、絶え間ない熱狂が17日間に凝縮された日程だ。大会終盤、8月8日は「スーパーサタデー」と名付けられ、期間中最多の30種目の決勝が集中。日本の金メダルが期待される「侍ジャパン」の野球、世界的な注目を集めるサッカー男子、米国の「ドリームチーム」の参加に関心が高まるバスケットボール男子など人気競技の決勝がめじろ押しとなる。

ソフト上野で先陣

開会式は7月24日の午後8時、閉会式は8月9日の午後8時に開始。全競技の先陣を切って始まるのは野球とともに3大会ぶりに復帰したソフトボールだ。開会式2日前となる7月22日の午前9時から、東日本大震災からの「復興五輪」をアピールする象徴として福島県営あづま球場(福島市)で開催される。

08年北京五輪の金メダルにエースとして貢献した上野由岐子(ビックカメラ高崎)はこの日が38歳の誕生日。日本代表の宇津木麗華監督は開幕戦の先発を示唆しており、地元五輪で金メダルへ上野の1球から東京五輪が始まる可能性もある。

8月2日は「ゴールデンサンデー」

8月2日の日曜日は「ゴールデンサンデー」と名付けられ、大会では2番目の多さとなる26種目の決勝が実施される。五輪の花形種目である陸上の男子100メートル決勝をはじめ、日本が復活を期す女子マラソン、体操の男女種目別決勝、錦織圭(日清食品)に期待がかかるテニスの男子シングルス決勝、フェンシングの男子フルーレ団体決勝などが開催される。

金1号は射撃

大会全体の金メダル第1号は7月25日の射撃女子エアライフルとなった。開会式翌日の午前8時半開始のセッションで行われる。

第1回の1896年アテネ五輪から実施競技の射撃は、固定された標的をライフル銃やピストルで狙って得点を競うライフル射撃と、円盤状の標的を飛ばして散弾銃で撃ち落とすクレー射撃がある。

日本勢はこれまで6個のメダルを獲得。女子では1988年ソウル五輪の射撃女子スポーツピストルで福島実智子(当時長谷川智子)が銀メダルに輝いた。92年バルセロナ五輪で男子フリーライフル3姿勢の木場良平が「銅」、クレー・トラップの渡辺和三が「銀」を獲得した後は6大会連続で表彰台がない。

阿部きょうだい同日メダルも

序盤の盛り上がりで見逃せないのは7月26日だろう。競泳で瀬戸大也(ANA)と大橋悠依(イトマン東進)の男女エースに期待の集まる男女の400メートル個人メドレー決勝がある。さらに柔道では阿部一二三、詩(ともに日体大)のきょうだいにメダルの可能性がある男子66キロ級、女子52キロ級が組まれた。歴史的な日になるか。

マラソンは朝6時スタート

東京五輪は史上まれに見る暑さ対策が世界的な懸案事項となる。スタート時刻の前倒しを検討してきた男女のマラソンは1時間早め、午前6時スタートで正式決定。過酷な男子50キロ競歩は全種目で最も早い午前5時半のスタートとなった。

ただ早朝の競技の場合、ボランティアなど運営スタッフは未明から現場入りが求められる可能性もあり、移動も難題だ。

暑さ対策ではマラソンのほか、7人制ラグビー、自転車のマウンテンバイクなども開始時間を変更する措置を取った。

終盤にメダルラッシュ期待

大会終盤の8月6~8日はメダルラッシュの可能性が出ている。6日は五輪5連覇を目指す伊調馨(ALSOK)のレスリング女子57キロ級、世界女王の清水希容(ミキハウス)が頂点を狙う空手女子形が実施される。7日は日本期待の陸上男子400メートルリレー決勝、絶対王者の喜友名諒(劉衛流龍鳳会)の空手男子形、8日は野球決勝のほか、須崎優衣(早大)が金メダル候補のレスリング女子50キロ級が行われる。

柔道は軽量級から

お家芸の柔道は7月25日開始で軽量級から行われ、後半実施に変更になったレスリングは8月2日からで日本期待の女子は重量級から実施する。伊藤美誠(スターツ)張本智和(木下グループ)ら10代の台頭が著しい卓球は7月30、31日、大坂なおみ(日清食品)の活躍が注目されるテニスは8月1、2日、世界ランキング1位の桃田賢斗(NTT東日本)に期待が集まるバドミントンは8月2、3日にそれぞれ女子と男子のシングルス決勝が予定されている。こちらも注目だ。

室伏氏「午前も午後も満員に」

大会組織委員会の室伏広治スポーツディレクターは「大会を通して盛り上がれるスケジュールになった。午前も午後も満員のフルスタジアムを目指し、大会を成功させたい」と目標を掲げている。