天心vsメイウェザーは瞬間最高視聴率12.2%
大晦日恒例の格闘技イベント「平成最後のやれんのか!」と「RIZIN.14」の2部制イベントで朝9時から夜の23時半まで14時間半もの間、さいたまスーパーアリーナで過ごすこととなった。
全体のイベント進行が思いのほか早かったことも影響し、後半メインイベント3試合を残してフジテレビの生中継との時間調整を余儀なくされ、
20時から22時まで約2時間ちかく、なんの余興も無く、ただただ待たされるという盛り下がる状況にあった。
それでも総合格闘技タイトルマッチ2試合に、
ボクシング元世界王者メイウェザーvs那須川天心の後半3試合すべてが一本勝ちとKO勝利の完全決着となり、
終わってしまえば客は満足して年越しを迎えることとなった。
また、この23時台のメインイベントのメイウェザーvs那須川天心の試合が地上波で生中継されると、民放1位となる瞬間最高視聴率12.2%をたたき出し、
2019年も同局でRIZINがお茶の間で観られる約束手形を手中に収めたことかと思う。
格闘技好きには間違いなく吉報といえるだろう。
負けたことが大きな財産に
メインイベントの試合結果については、各専門誌やメディアで既に報じられている通り、圧倒的な力の差で勝負にならなかった。
キックボクサーである那須川天心が拳のみのボクシング・ルールで戦わなければならない点と、5kg近い体重差を考えると、那須川天心の選手生命すら脅かすような無謀な挑戦であり、そこに挑んだ天心の覚悟こそが称賛するべきであったと思う。
あっけなく3度のダウンでセコンドからタオルが投入されTKO負けを喫したのは、ただただ日本人として悔しい気持ちに苛まれたが、決して天心の価値を下げた戦いではない。
彼はこの無謀な挑戦の経験を活かして、今年は更なる飛躍を遂げてくれることを期待している。
人気漫画スラムダンクの最終巻で、強豪チームが負けた際に、「負けたことがあるというのが…いつか大きな財産になる…」という名言を残す場面がある。
那須川天心もメイウェザー戦での敗戦がもたらす、後の煌びやかな未来を予感させる。
そして、まことしやかに噂されている夏のビッグイベントか、大晦日の格闘技イベントのどちらかで、
武尊vs那須川天心の試合が正式にマッチメイクされることが期待されている以上、これに向けて邁進してほしい。
K-1対RIZINで対抗戦?
また、K-1対RIZINのキックルールでのイベントが画策されているとの話も浮上しており、既にK-1の看板選手の一人である皇治がSNSでこのことに触れると、
それにRIZINの看板選手の朝倉未来(あさくら・みくる)がSNSで皇治への対戦要求ともとれる反発的な投稿をしている。
皇治と朝倉未来のどちらも共通して、やんちゃな一面を持つ選手ゆえに、今後もSNSを通じて二人のいがみ合いが続く可能性は捨てきれず、対抗戦が実現となれば、
おそらく二人のカードは実現可能かと思う。
62.5kgか65kgか、このあたりが対戦するにあたり適正体重だろう。
朝倉が総合格闘技の同階級で強すぎるがゆえに、RIZINの舞台で戦う日本人ファイターがいない。
そこで今の階級から体重を上げて、70kgまで増やすことも示唆していることから、この対抗戦の時期によって体重の問題は大きな課題でもあるかと思う。
余談ではあるが、国内屈指の総合格闘技イベントの老舗「修斗」出身のリオン武や日沖発を立て続けに撃破した朝倉未来には、同じく修斗出身で、EXILEなどが所属するLDHに籍を置き、知名度のある高谷裕之選手との総合ルールでの対戦も観てみたいところではある。
更に、K-1の舞台からRIZINやRISEへ主戦場を切り替えている元K-1王者の大雅や兄HIROYAも名を連ねることが予想される。
元K-1選手の二人がRIZIN側で選出となれば、これも因果な戦いとなり盛り上がるだろう。
試合によってはMIXルール(キックルールと総合格闘技ルールがラウンド毎に替わる変則マッチ)や、K-1ファイターが総合格闘技へ挑戦など、
異種格闘技的な要素を盛り込んだお祭りイベントを想像したいところでもある。
2002年8月にアントニオ猪木氏が国立競技場にパラシュートで降り立つ演出で話題となった「格闘技World Cup Dynamite」のように、
立ち技のK-1、MMAのPRIDE(現RIZIN)、プロレスの猪木軍と、3団体が入り乱れて、
夢の対戦を実現させていた時代をもう一度、再現してほしい。
実現に向け、すでに関係者が動く
元号が変わり、新たな時代の夢のビックイベントとして、
夏か大晦日に開催されれば格闘技ファンを魅了するのではないだろうか。
既に、フジテレビがこの舞台に対して、交渉の席に着くべく動いており、
これをバックアップする形で大手の芸能プロダクションLDHやケイダッシュなどが協力体制となっている。
またITアプリゲーム会社が冠スポンサーとなり、金銭面でのバックアップに向けて、既に年末から活発に動いている。
K-1、RIZINの両陣営が条件面をぶつけ合って、
早い段階で発表してほしいと切に願っている。