毎日スポーツ人賞ってなんだ?
毎日スポーツ人賞は、その年に活躍したスポーツやスポーツに関係する選手やチームに与えられる賞だ。主催は名前からも分かるように毎日新聞社だ。
この賞が始まったのは1993年で、2017年で25回目を迎える。
賞は「グランプリ」、「文化賞」、「国際賞」、「感動賞」、「新人賞」、「ファン賞」の6つで構成されているが、年によっては「特別賞」、「特別功労賞」が与えられたこともある。
受賞者にはブロンズ像が与えられるほか、グランプリ受賞者には賞金200万円が、その他の賞の受賞者には賞金100万円が与えられる。
初代グランプリは荻原健司氏
1993年に行われた毎日スポーツ人賞で初めてグランプリを獲得したのは、ノルディックスキー選手であった萩原健司氏だ。
1993年の萩原氏はノルディックスキー世界選手権で個人、団体ともに金メダル、1992?1993シーズンのワールドカップ、1993?1994シーズンのノルディック複合のワールドカップで個人総合優勝と、まさに世界のトップクラスのアスリートとして活躍していた。また、前年の1992年に行われたアルベールビルオリンピック、翌年の1994年に行われたリレハンメルオリンピックでは、団体で金メダルを獲得している。
当時ノルディックスキーで最強と言っても過言ではなかった萩原氏が初代グランプリを受賞し、毎日スポーツ人賞が始まった。
被災地に勇気を与えた東北楽天ゴールデンイーグルス
チームで2013年に特別賞を受賞した、東北楽天ゴールデンイーグルスを紹介する。「2013年の楽天」として強く印象に残っている方も多いかと思う。初めてパリーグ制覇し日本シリーズでは巨人相手に第7戦までもつれ込みながら初の日本一に輝いた年だ。
当時の東北地方は東日本大震災から2年が過ぎた頃だったが、まだまだ復興の最中という状況だった。そんな被災地の人々に、楽天の日本一は大きなパワーを与えた。
ちなみに楽天はチームとして特別賞の受賞だったが、この年のグランプリは、当時楽天に所属しシーズン24連勝という偉業を成し遂げた田中将大選手が受賞している。
2013年のスポーツ界は楽天イヤーだったと言える。
パラリンピアンを支える臼井二美男氏
毎日スポーツ人賞の特徴として、スポーツ選手でもチームでもない方への授与もある。義肢装具士の臼井二美男氏が2016年の文化賞を受賞している。
義肢装具士というのは義足などの製作や使用者個人に合わせた調整などを行う人々のことだ。臼井氏は義肢装具士として、パラリンピックに出場するアスリートの義足の製作や適合、リハビリを支えてきた他、切断者の陸上クラブであるヘルスエンジェルクラブの代表を務めるなど、多くのパラリンピアンを支えてきた。
表舞台に出てくるわけではないが、日本のスポーツ界を陰ながら支える人物なのだ。
意外な受賞者たち
毎日スポーツ人賞には様々な賞があり、過去には意外な人や団体が受賞していることもある。
例えば、テレビ番組である「NHKスペシャル」の製作スタッフが、高校野球やプロ野球に関する番組を作成したとして1998年と2009年に文化賞を受賞している。
また、日本のスポーツを老若男女問わず長年支えてきた「ラジオ体操」も2003年に同じく文化賞を受賞している。
さらには、社会人野球に焦点を当てたTBSのテレビドラマ「ルーズヴェルト・ゲーム」が、文化賞を受賞したこともある。
選手や団体だけでなくスポーツに関わる全ての分野の人々を表彰するという点は、毎日スポーツ人賞の特徴なのかもしれない。
まとめ
毎日スポーツ人賞の歴代受賞者について紹介してきた。誰もが記憶しているであろうアスリートや団体だけでなく、陰ながらスポーツを支えてきた人など様々な受賞者がいる。次はどんな人たちが受賞されるのかぜひ楽しみにしてみてください。