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スポーツ新時代を支える新しい仕事「メンタルコーチ」とは?

2017 1/30 12:29
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Photo by Rawpixel.com / Shutterstock, Inc.

スポーツの世界では、メンタルコーチのニーズが増しています。競技のレベルが高くなるほど「スポ根」だけでは思うような成績を上げられないことは、近年常識となりつつあります。今回は、アスリートの活躍を裏から支えるメンタルコーチについてまとめました。

スポーツメンタルコーチとはどのような仕事か

スポーツの成績を上げたいとき、肉体的な鍛錬だけでは不十分な場合があります。プロの世界はもちろんですが、全国レベルで戦うアマチュアトップの世界でも、精神面の強化が良い成績を上げるには不可欠なのです。スポーツメンタルコーチは、選手の精神面をサポートし、成績向上につなげる仕事です。
具体的には、練習、本番、オフの3つの場面それぞれにおいて、パフォーマンスを最大化するためにどのような意識でのぞめばよいか、またその着実な実践のためのプログラムづくりなどを行います。

スポーツメンタルコーチになるには

スポーツメンタルコーチは公的な資格ではありません。そのため、誰でも自由にメンタルコーチを名乗ることができますが、それで仕事がもらえるほど甘くはありません。
まず、大学に設置されているスポーツ心理学科で学んだり、著名なメンタルコーチが主催する講座を受講するなどして、スポーツメンタルコーチの知識を十分に習得することが必要です。
もちろん知識だけでなくコーチングの経験を重ねることも大切です。先輩のコーチなどから紹介を受けたり、コーチングを事業とする会社に就職するなどして、まず比較的レベルの低いアマチュアのコーチングからスタートし、徐々に場数を踏んでコーチングのレベルと実績を積み重ねていきます。
トップアスリートから直接依頼を受けるコーチはわずかですので、競争の激しい職業だといえるでしょう。

具体例その1~大住有加選手(柔道)

日本女子柔道界のホープ、大住有加選手。学生時代からその才能は認められていましたが、大一番での勝負に弱く、トップになれない状態が続いていました。
実業団に入ったあと、はじめて挑んだ全日本選抜柔道では惜しくも2位。優勝できなかった悔しさから、メンタルコーチの指導を受けたそうです。
それまでは曖昧な目標設定しかしていなかったという欠点に気づき、負け意識を克服するアドバイスを受けたり、イメージトレーニング法を習得したりした結果、社会人二年目の全日本選抜で見事優勝。
メンタルコーチの効果に驚いた大住選手は、夢であるオリンピックチャンピオン目指して、今後もメンタルコーチと二人三脚で稽古を続けていくそうですよ!

具体例その2~ホンダヒート(ラグビー)

ラグビー実業団チームのホンダヒートもメンタルコーチの指導を受けています。2008年シーズンに悲願のトップリーグに昇格したものの、翌年に下位リーグ降格という結果に。チーム全体の意識を高めるためメンタルコーチの指導を受けるようになりました。
コーチングでは、ラグビーがチームスポーツであることを重視し、チームの一体感を高める指導が行われました、ミーティングで意見を出しやすい雰囲気作りや、レギュラーだけでなく補欠メンバーにも高いモチベーションを持てるためのアドバイスを行い、ポジションや世代の違いを超えた信頼感をチーム内に醸成しました。
その結果、2014年シーズンで見事トープリーグ復帰を決め、翌2015年シーズンではチーム史上最高の成績をおさめることができました。

具体例その3~慶應義塾高等学校アメリカンフットボール部

メンタルコーチの重要性はアマチュアの世界でも広がっています。強豪校として知られる慶應義塾高等学校アメリカンフットボール部もメンタルコーチの指導を積極的に受けています。
新入生を中心としたチームの成績が非常に悪く、チーム内のコミュニケーションもとれていない状態だったため、まず選手一人ひとりが意見を出し合うセミナーからはじめました。コミュニケーションの質を向上させたあと、メンタルスキルの技術、試合に向けた効果的なプランなどを実施。
その結果、関東大会で見事準優勝を勝ち取ることができました。

まとめ

具体例の一つとしてあげた慶応義塾アメフト部の部長は、メンタルコーチの効果として“勝利至上主義で情熱だけを選手に押し付けるのではなく、冷静かつ客観的に自分やチームの状態を見つめることができるようになった”という点を上げています。スポーツメンタルコーチは、選手だけでなく、指導者の役割をはっきり自覚させる効果もあるといえるでしょう。

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