コンパクトな開催を目指す東京オリンピック
開催国を決定する際のプレゼンで、日本が推したのは「コンパクトな会場配置」というコンセプトでした。首都東京を中心とした会場配置計画は、「中央区晴海に建設する選手村から半径8キロ圏内に競技会場の85%を配置する」というものでした。
いざ開催国として決定すると、直面したのは予算の問題です。会場建設予算の都合上、新会場建設が白紙となり、一部競技会場が変更になるなどありましたが、極力選手村を中心とした会場配置というコンセプトに添った計画が進められています。さまざまな会場を近距離で回遊できたら便利ですよね。
24時間営業化する都市部の交通事情
日頃より大変な混雑なのに、五輪開催ともなれば現在より交通事情が悪化するのは目に見えています。
予測によれば、五輪期間中の1日当たりの会場来場者数は最大92万人。移動の核となりそうな東京メトロと都営地下鉄の乗降客数は1日当たり平均850万人だから、乗降客数が10%以上増える可能性があるとみられています。開催時期には観光客も増え、さらなる混雑が見込まれます。
そこで改善計画のひとつとして発表されたのが、都営地下鉄大江戸線などの主要路線の24時間運行化です。これにより利用客の輸送の効率化が期待できます。
複雑な交通事情、どう改善する?
世界でもトップクラスの複雑さを誇る東京都市部の電車。駅構内の案内標識は慣れていないと難解です。
そこで、駅構内の外国語に対応できる案内係の増員、目的地へのアクセス方法などを案内する多言語に対応した案内ロボットの配置が計画されています。他にもスマートフォンなどのデバイスを通して、標識が利用者の母国語に翻訳される技術など、まるでSF映画のような夢のある計画も。
手持ちのデバイスで利用する路線の混雑状況が把握できたり、事故などで電車が止まってしまった際の振り替え輸送の案内もわかるようになれば安心ですね。
バリアフリーで迎える東京オリンピック・パラリンピック
国土交通省が発表した道路のバリアフリー化の推進計画。高齢者や障がい者を含む、国内外から訪れる人が安心して会場へ足を運べるよう環境の整備を推進するというものです。視覚障碍者誘導ブロックの設置の他、勾配の改善、また道路標識の改善が計画として挙げられています。
これは首都直下型地震等災害への避難経路の整備も見越して計画されているようです。障がいのある方や車いすの利用者等、さまざまな人が気軽に観戦に行けるように準備が進められています。
空の交通事情
電車だけでなく利用者の増加が予想されるのが飛行機です。国際線、国内線共に混雑が見込まれる中、羽田空港、成田空港ともに、発着回数の増加を計画しています。
成田空港は空港機能を強化してピーク時間帯に時間当たりに航空機が発着できる回数を2018年度末までに72回、航空機発着回数を2018年度に年間27万回とし、発着回数1回当たりのCO2排出量を2015年度比7%削減する計画を策定しています。これにより利用客のスムーズな輸送、ピーク時間の混雑の緩和も期待できます。
まとめ
いかがでしたか?東京五輪に向けてさらに改善が求められる交通事情。開催まで4年をきっているということもあり、早急且つ定められた予算に見合った実現性のある計画が求められます。今後の情報に注目したいですね。