NBAや欧州サッカーシーズンとの重複が懸念材料
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で、東京五輪・パラリンピックの1年程度の延期が3月24日、急転直下で決まった。国際オリンピック委員会(IOC)はこれまで予定通りの7月24日開幕を主張してきたが、通常開催に各国トップ選手や海外オリンピック委員会から猛反発を受ける包囲網の中、史上初の五輪延期に踏み切った。
今後の焦点となる新たな開催日程は、陸上や水泳など各競技の大会予定と調整しつつ、準備状況を監督するIOC調整委員会と大会組織委員会が協議していくが、新日程の候補に夏だけでなく、来春も挙がっていると、複数の英メディア(電子版)が伝えた。
高級紙タイムズは来年7月が最有力とした上で「複数のIOC委員が来年4月の『桜五輪』の可能性を提案した。桜は日本の観光名所の一つ」と報じた。一方で「桜五輪は欧州サッカーのクライマックスと重なる」としている。
英テレグラフ紙は「圧倒的に人気がある桜の季節、来年3月か4月に開催するのも一つの可能性」としながらも、現状では1年延期の7~8月開催が有力と報じた。
英高級紙ガーディアンは「桜五輪」も候補に挙がっているとした上で、3、4月の東京の平均気温がそれぞれ10.6度、13.6度と低く、米プロバスケットボールNBAや欧州サッカーがシーズン中のため、スター選手を集めにくい春開催の問題点を指摘している。
大会組織委の森喜朗会長は新たな開催時期について「おおむね来年の夏がめどになる」との見通しを示しており、あくまで通常通りの「7月開催」が最有力だが、再スタートへ時期が確定しないと動き出せない状況のため早急に決める構えだ。