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2020年のMotoGPライダー22名が決定 Moto2からステップアップしたルーキーたちに注目

2020 1/5 11:00河村大志
MotoGPⒸゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

ロレンソの電撃引退で動いたストーブリーグ

2020年の移籍話が急激に動き始めたのが最終戦バレンシアGPだった。通算5度の世界王者に輝き、今年からレプソルホンダに移籍するも、マシンとの相性や度重なる怪我が原因で成績を出すことができずにいたホルヘ・ロレンソ。1年契約が残っていたものの「モチベーションがなくなった」ことを理由に引退を発表した。

デビュー以来、常に表彰台に乗る強さを誇り、調子の良い時のロレンソを止めることは至難の技と言われるほど強かった。250ccで2度、MotoGPクラスで3度の世界チャンピオンに輝いた名ライダーが今年は怪我やマシンとの相性に苦しんだ。モチベーションがなくなれば、このような危険で厳しい世界を戦うことができないのは誰もが理解していることであるが、ロレンソの引退はMotoGP界に衝撃を与えた。

MotoGP界きってのスピードを誇ったロレンソの引退により、急遽ホンダのファクトリーチームの座がひと枠空くことになった。レプソルホンダに収まるのはホンダ系ライダーのLCRの二人に、中上貴晶の代役を務めたヨハン・ザルコが有力候補であり、また今年Moto2でチャンピオンに輝いたアレックス・マルケスの名前が挙がっていた。

そして正式なリリースが発表され、アレックス・マルケスがレプソルホンダに加入することが決まった。兄であるマルク・マルケスと共にレプソルホンダで戦うことになったのだ。

デビュー以来、圧倒的な強さを見せつけ、MotoGPの頂点に君臨しているマルク・マルケス。そのマルクの弟がチームメイトになるというなんとも興味深い組み合わせになった。アレックスは時間がかかりながらもMoto3、Moto2のチャンピオンを獲得している有能なライダーだ。MotoGPクラスで、しかもチャンピオンである兄を相手にいきなり活躍することは厳しいだろうが、アレックスは1年契約のため結果を早めに出さなければいけない。最高峰クラスで夢の兄弟対決が見られるのかに注目したい。

Moto2からステップアップしたルーキーたちに注目

トップチームに加入したアレックス・マルケスはMoto2のチャンピオンだが、アレックス以外にもステップアップしたライダーたちがいる。まずはアレックスとチャンピオン争いを繰り広げ、ランキング2位になったブラッド・ビンダーだ。Moto3でチャンピオンに輝き、Moto2でも活躍したライダーで、所属していたKTMがMoto2から撤退することもあり、MotoGPクラスへのステップアップとなった。

MotoGPクラスにおいてKTMは年々進化しており、チームメイトとなるポル・エスパスガロは印象的な走りを見せている。さらに今年からテストライダーにダニ・ペドロサを迎え入れたこともあり、KTMの仕上がりはさらによくなっている。発展途上ではあるが、着実に進化しているチームでのデビューということもあり、ビンダーが初年度でどこまで上にいけるのかにも注目だ。

もう一人はレッドブルKTMテック3に加入するイケル・レクオーナだ。まだ19歳のレクオーナはウェットレースとなった2018年の最終戦バレンシアで初表彰台に乗ると、今年はタイGPでドライレースながら3位を獲得した。優勝経験はないが、レクオーナは印象的な速さを見せている。

今年MotoGPクラスにデビューし、いきなり大活躍を見せたファビオ・クアルタラロのような存在になるかもしれないという声を聞くほどだ。クアルタラロのように最高峰クラスで才能が開花する可能性があるレクオーナだけに楽しみな存在でもある。

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