シトロエンワークスの歴史
1919年に創設されたシトロエンは、1950年代からラリー競技に参戦してきた。1991年にパリ-ダカールラリーで、アリ・バタネン氏がシトロエンのマシンで優勝。さらに、ピエール・ラルティーグ氏が1994年から3連覇を果たす。王者の風格漂うシトロエンがWRC参戦に準備を進めていく。
2003年からWRCフル参戦すると、初戦のラリー・モンテカルロでセバスチャン・ローブ氏、コリン・マクレー氏、カルロス・サインツ氏でワンツースリーフィニッシュ。結局その年にマニュファクチャラー部門でタイトル獲得し、そのまま3年間マニュファクチャラー部門のタイトルを守る。
シトロエンとセバスチャン・ローブ氏
シトロエンのWRCを語るうえで、セバスチャン・ローブ氏の存在は無視することができない。セバスチャン・ローブ氏は1974年2月26日生まれのフランス人。ローブ氏は2003年もシトロエンのエースドライバーとして、開幕戦勝利を飾っていたが、それ以前に、2002年にシトロエン・クサラWRCのマシンでスポット参戦し、ドイツで優勝している。2004年からシトロエンのマシンで前人未到のWRCドライバーズタイトル9連覇。WRCでの優勝回数78回はダントツの数字だ。
2016年はマシン開発のためマニュファクチャラー部門は撤退
2016年のシトロエンは翌年のレギュレーション変更に備えてマシン開発に時間を費やすため、マニュファクチャラー部門のポイント争いには加わらず、プライベーターとしての参戦に留められた。これは、2006年にもシトロエンが行なったことで、このようにマシン開発にきっちり時間を費やすことでトップチームとしての力を保っている。
マニュファクチャラー部門のタイトルは前述の2003年から2005年の3連覇。そして、2008年から2012年までの5連覇を合わせた8回だ。
2017年のシトロエンのマシン
シトロエンの2017年のマシンはシトロエンC3WRCだ。シトロエンC3WRCのデザインは大きく広がったフェンダーが特徴で、リアウィングも大きく、ダウンフォースが期待できる。リストリクターの径は33mmから36mmに拡大し、エンジンのパワーは2割増しの380馬力で、力強い走りが可能になった。
レッドとダークグレーのカラーリングのシトロエンC3WRCは、王者フォルクスワーゲンが撤退した今シーズン、十分にタイトル争いに加わる可能性がある。
遅咲きのイギリス人クリス・ミーク選手
シトロエンの注目選手はクリス・ミーク選手だ。ミーク選手は1979年7月2日イギリスの北アイルランド生まれ。ラリー競技で多くのキャリアを積んだミーク選手だが、WRCの初勝利は2015年のラリー・アルゼンチンだった。2015年はオーストラリアで3位、イギリスで2位に入り、ドライバーズランキングで5位になる。
2016年はシトロエンが開発に当てたため7戦の出場だったが、ポルトガルとフィンランドと2戦で優勝し、ドライバーズランキング9位に入った。そして、2017年も第3戦ラリー・メキシコで優勝し、タイトル争いも見えている。
まとめ
シトロエンの歴史や2017年の展望をお伝えした。2017年のシトロエンのマシンであるC3WRCは、開発に時間がかけられ、期待がもてる。遅咲きのイギリス人クリス・ミーク選手の走りも注目だ。