アメリカにおけるラクロスの歴史
ラクロスは当初、北米の先住民が行っていたが、参加者が1000人以上になることもあったとされており、現在のラクロスとはかなり様相が違っていたようだ。
現代の形に近づいたのは1867年。カナダ人のウィリアム・ジョージ・ピアーズにより本格的なスポーツ競技としてのルール化が図られた。その後、アメリカ合衆国では初のクラブチームとなるモホーク・ラクロスクラブ(The Mohawk Lacrosse Club)が1868年に組織されている。その後、1987年には男子によるプロリーグが発足しており、2016年には女子選手によるプロリーグが開設された。
アメリカのラクロス競技人口は?
US Lacrosseが発表している調査結果によれば、アメリカ合衆国におけるラクロスの競技人口は2015年に80万人に達している。2005年の競技人口は38万人強だったので、わずか10年でおよそ倍になっていると言える。
この調査で注目すべき点は、2015年の80万人を超える競技人口のおよそ半分である約444,000人が14歳以下のユース選手であるということだ。これらの若手選手の中から、将来プロリーグで活躍するようなスター選手が誕生することだろう。
アメリカのラクロスプロリーグ
アメリカ合衆国におけるラクロスの男子プロリーグには、NLL(ナショナル・ラクロス・リーグ)とMLL(メジャーリーグ・ラクロス)の2つがある。1987年にシーズンがスタートしたNLLは、屋内で行われるボックス・ラクロスのプロリーグであり、2017年ではアメリカ合衆国とカナダのチームを含めた9チームから成っている。
一方のMLLは、2001年にシーズンがスタート。屋外で行われるフィールド・ラクロスが行われている。こちらは2017年においてアメリカ合衆国に拠点のある9チームから成っている。
アメリカのプロリーグで強いチームはどこ?
アメリカのラクロスプロリーグNLLで強豪チームと言えば、カナダのオンタリオ州トロント市を拠点に活動しているToronto Rockだ。1998年に設立されて以降、6度のリーグチャンピオンに輝いている。現在はリーグに参加していないが、Philadelphia Wingsも同じく6回、リーグチャンピオンに輝いている。
MLLでは、コロラド州デンバー市のDenver Outlawsが2014年と2016年にリーグチャンピオンになっている。
日本とアメリカのラクロス文化の比較
日本でラクロスチームが初めて結成されたのが1986年、慶應義塾大学ラクロス部であるとされている。その後、主に大学生のサークルや部活動として全国的に広がっていった。現在では、社会人によるクラブチームも結成されており、毎年ラクロス日本一を決める全日本選手権大会が開催されている。
しかし、国内の競技人口はおよそ2万人と言われており、大学から競技を始める選手が多いことも事実だ。アメリカでは、14歳以下からラクロスを始める選手の割合が高く、必然的に競技レベルにも差が出ていると言えるだろう。
まとめ
アメリカ合衆国におけるラクロスの状況を紹介した。
野球のMLBやバスケットボールのNBAなど北米4大プロスポーツリーグと比較すると、ラクロスは競技人口などの面で劣る部分はある。しかし、毎年競技人口は増加しており、伝統的なスポーツとして未だ根強い人気を誇っていると言える。