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7月15日(月)はマーキュリーC 狙うはダート転身後、5戦4連対のあの馬

2019 7/14 16:30門田光生
2019年マーキュリーカップで本命に推されたロードゴラッソⒸ明石智子
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Ⓒ明石智子

スタミナが必要なレース

7月15日(月)に盛岡でマーキュリーC(JpnⅢ ダート2000m)が行われる。マーキュリーは英語で水星だから水曜日がいいのでは、とかいうどうでもいい話は置いといて、過去にメイセイオペラやカネヒキリなどの一流馬も勝っている、岩手の名物レースの一つである。

簡単に盛岡競馬場の紹介を。盛岡競馬場は芝とダートを併設する唯一の地方競馬場。1周距離はダート1600m、芝1400mで、大井(外回り)、門別(外回り)と並んで広い競馬場といえる。

また、地方競馬場では珍しく高低差が4.4mもあり、逃げ一辺倒では難しいコースともいえる。このマーキュリーCは過去10年で逃げ切り勝ちが1回だけ。歴代の勝ち馬の名前を見ても分かるように、相応のスタミナが必要だ。また、地方の競馬場の中でも時計が速いのも特徴の一つだ。

このレースは上記でメイセイオペラやカネヒキリが勝っていると書いたのだが、施行時期が同じ距離で行われる帝王賞の直後ということで、どうしてもメンバーが手薄になりがち。今年のJRA所属馬も重賞を勝っているのがグリムだけという小粒なメンバー。地方馬は主力となる南関東馬が不在のため、さらに層が薄い印象だ。

今回の狙いはロードゴラッソ

そのマーキュリーCだが、過去10年のデータをまとめると次のようになる。

①逃げ馬は【1,2,1,6】。近5年だと【0,1,1,3】と不振
②地方馬が馬券に絡んだのは南関東所属馬のみ(3頭)
③馬券に絡んだ30頭のうち、4着以下から巻き返した馬が22頭もいる
④年齢は不問

となる。 残念ながら、今年は南関東所属馬の出走はなし。となると、JRA馬の争いが濃厚。人気的に断然となりそうなのが、唯一の重賞馬グリム。楽勝した白山大賞典は馬場の恩恵によるところが大きかったと思うが、浦和記念では実績馬のクリソライトやアポロケンタッキーに先着し、名古屋大賞典は今回出走のテルペリオンや、後にアンタレスSを勝つアナザートゥルースに先着。

そのアナザートゥルースに前走敗れはしたものの、コンマ1秒差の2着なら上出来。時計のかかるダートだけでなく、雨馬場で時計勝負になった前走でも結果を出しているから、盛岡のダートを苦にするとも思えない。

気になるとすれば脚質か。上記で触れたように、逃げ脚質の成績があまりよくないのだが、この馬もできれば逃げたいクチ。もまれても平気だった前走の2着でよしとするのか、それとも勝つには逃げた方がいいと考えるのか。同じくJRA所属馬のコパノチャーリーもハナへ行きたい馬だが、前走を見る限りスピードはグリムの方が断然上。メンバー的に能力の違いで押し切っても何ら不思議はないものの、せっかく断然人気馬に死角があるのなら、違う馬から狙った方が面白い。

というわけで、今回の狙いはロードゴラッソ。ダートに転向したのは最近だが、以降は【3,1,0,1】と好成績。重賞は今回が2度目だが、オープン特別とほぼ変わらないようなメンバー構成。前走はそのオープン特別(リステッド)で、楽に逃げていた勝ち馬は捕らえられなかったものの、2着争いで抜かせなかった根性は相当なもの。キャリアを積めばもっと強くなりそうだ。グリムは追い比べでよさを発揮するタイプではないから、馬体を合わせるところまでいけばチャンスは十分にあるだろう。

あと可能性がありそうなのはテルペリオン。気性的に信用しづらいタイプだったが、だいぶマシになっている。何より、縦長になりそうでモマれる心配が少ないのは大きい。

大敗から巻き返す馬が多いというデータから、JRA所属で唯一前走大敗しているコパノチャーリーはどうか。成績的にはかなり厳しそうだが、何せ兄が交流重賞を勝ちまくったコパノリッキー。注目しておいて損はない。

馬券はロードゴラッソからグリムが本線、押さえにテルペリオン、コパノチャーリーの2頭。メンバー的にも、今回は大きな波乱はないとみる。

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記を執筆中。