「さらに上のダートグレードに挑戦して勝ちたい」
川崎競馬場を舞台に行われた牝馬限定重賞・スパーキングレディーカップ(JpnⅢ・ダート1600m)は大井所属で吉原寛人騎手騎乗のフェブランシェが優勝。通算では重賞3勝目、ダートグレード競走はこれが初制覇となった。
10頭立てとなったレースを引っ張ったのはニシノカシミヤ。しかしフェブランシェもスタート直後に鞍上が積極的に促して2番手につけると、2頭が3番手以下を引き離して12.1-11.6-12.5(36.2)というペースで最初の600mを通過していった。
向正面に入ってニシノカシミヤが13.3とペースを落としたところで、外から徐々に差を詰めて先頭に入れ替わると吉原騎手はそのまま躊躇なく加速して向正面半ばから3角入口にかけて、800m〜1000mまでの区間で11.7と一気にペースアップ。
「斤量差をしっかり活かしたいというところで早めに抜け出しました」と吉原騎手が語ったように、JRAの実績馬テンカジョウとアンモシエラが58kg、ライオットガール57kgに対しフェブランシェは55kg。物見をしたり、折り合いにも難しい面もあるなかでもアドバンテージを最大限活かせるタイミングで動いたことが勝負を大きく引き寄せたポイントだったと言える。
その後は13.1-13.3-13.8と13秒台の減速ラップとなったが、ペースが上がったところで差が離れて脚を使わされたJRA勢は伸び切ることができず。後続には1馬身半差、直線も危なげなく押し切る内容で、勝ちタイムは1:41.4(良)で決着した。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
JRAでデビューしたフェブランシェは3勝クラスまで昇級し、昨秋に大井の藤田輝信厩舎に移籍。初戦となった3走前の東京シンデレラマイル、前走のしらさぎ賞をそれぞれ5馬身差で快勝していることと、今回の内容からも1400〜1600mが適距離だろう。
「さらに上のダートグレードに挑戦して勝ちたいなという気持ちになりました」という言葉もあったが、吉原騎手とのコンビで今後はどんなレースに駒を進めていくのか、引き続き注目したい。














