ルメール騎手「未来のスーパースターホースに見えました」
大井競馬場で行われた帝王賞(JpnⅠ・ダート2000m)はC.ルメール騎手が騎乗したミッキーファイトが単勝1.6倍の断然人気に応えて勝利。4月の川崎記念を制したメイショウハリオの取消は残念だったが、JBCクラシックの覇者ウィルソンテソーロ、東京ダービー馬ラムジェットなどダート中距離路線の実績馬たちを相手にGⅠ級競走初制覇を飾った。
最内枠からスタートしたヒーローコールが出ムチを入れながら主張して、1周目スタンド前の先行争いを制したが、12.2-11.1-12.1(35.4)と速いラップが刻まれた。2番枠だったミッキーファイトは馬なりのままピッタリと半馬身差の2番手外を確保する。
その後は12.9と一旦コーナーで緩んだものの、向正面に入ったところで馬体を併せていき12.4-12.2と加速。3角手前でヒーローコールは苦しくなって後退したが、今度は3角からはウィルソンテソーロとノットゥルノが並びかけるというミッキーファイトにとってはかなりタフな流れとなった。
そうした中でも先頭を譲ることなく直線に入ると、残り200mのところでこの2頭をも振り切る。最後は12.0-13.2と大きく減速して一杯になったが、勝ちタイム2:03.1(良)という好タイムでアウトレンジの追い上げをクビ差封じた。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
昨年のジャパンダートクラシックでは2着に終わったが、その後BCクラシック3着、2月のサウジCを優勝時にレーティング127を獲得するなど世界トップクラスの活躍を見せているフォーエバーヤングにただ一頭迫った。また5馬身離した3着サンライズジパングや4着ラムジェットがGⅠで好走している世代レベルの高さからも、驚くべきことではないのかもしれないが、今回のレース内容は能力の高さを改めて証明するものだったと言える。
ルメール騎手は「体もすごいパワフルで自分のペースで走れるし、後ろからでも乗れるのがストロングポイント」と分析して「未来のスーパースターホースに見えました」と高い評価を与えた。管理する田中博康調教師は「精神力も強い馬で本当に心身ともに充実してきた」と成長を口にすると同時に「まだ成長途上の段階でもある」とも話す。
さらに強くなってどれだけのタイトルも獲得していくのかという期待感を感じるとともに、強さを増した先に再び訪れるフォーエバーヤングとの対決という面でも今後が非常に楽しみだ。