上半期のダート総決算
2日(水)に大井競馬場で第48回帝王賞(ダート2000m・JpnⅠ)が行われる。昨年2着のリベンジに燃えるウィルソンテソーロをはじめ、前年東京ダービー勝ち馬ラムジェット、今年のフェブラリーステークス3着のミッキーファイト、前走の川崎記念で2着に好走した大井所属馬ディクテオンなど、上半期のダート王を決めるにふさわしい実績馬が集結した。
予想の前にまずは過去10年のレース傾向を振り返ってみよう。


人気別成績では、1番人気が【1-4-2-3】と連対率、複勝率ともに安定しているが、現在9年連続で未勝利。ただし、2番人気は【3-1-2-4】で、3番人気は【2-1-1-6】と、全体では上位人気馬の活躍が目立つ。

所属はJRAが全10勝を含む連対馬19頭(栗東17、美浦2)と圧倒的なリード。地方馬からは2021年に大井のノンコノユメが2着に入った。

年齢は4歳と5歳がともに7連対でトップタイ。以下6歳が3連対、7歳が2連対、9歳が1連対だった。
実績面では連対馬20頭中15頭に、舞台となる大井2000mでの連対歴があり、残る5頭中3頭は大井初出走だった。連対馬20頭の脚質は【逃げ0 先行12 差し6 追込2】と、好位で立ち回れる馬が多数好走している。

4歳馬2頭を中心視
◎ミッキーファイト
JRA・美浦所属で、勝率19.0%の好データに該当する4歳馬。昨年のジャパンダートクラシック2着、今年のフェブラリーステークス3着とGⅠ級競走で上位争いを演じている。上述した大井2000mで連対実績があるのはプラス材料で、キャリア【5-1-2-0】の堅実ぶりは魅力だ。
前走のアンタレスステークスは2馬身半差で快勝。前走1着馬は過去10年で4勝をマークしており、加えて2枠も4連対とデータ的にマイナス点は少ない。ここでJpnⅠ初制覇を決める。
〇ラムジェット
RA・栗東所属の4歳で、昨春に4連勝で東京ダービーを制覇した実力馬。大井2000mは東京ダービーをはじめ、ジャパンダートクラシック4着、東京大賞典3着と一線級を相手にしながら崩れたことがない。
サウジカップ6着、ドバイワールドカップ9着と直近2戦の中東遠征では結果が出なかったが、前走海外組は過去10年で2勝をマークし、ここ3年は連続して2着に入っている。持ち味の豪脚を生かせる舞台で2つ目のJpnⅠタイトルを狙う。
▲アウトレンジ
JRA・栗東所属で、7連対を誇る5歳馬。前走の平安ステークスは残り1ハロンで先頭に立つと、上がり最速をマークして1馬身半差で押し切った。過去10年で前走平安ステークス組は6連対を記録しており、前走1着という点も魅力。大井2000mは初めてだが、好位で立ち回れる強みがあり、大崩れはしないはずだ。
ほか、ウィルソンテソーロは昨年当レース2着など、大井2000m【0-3-0-1】とあと一歩の成績。海外帰りで仕上がりがポイントになるが、国内の1800m以上に限れば6戦続けて連対を果たしており、ここでも上位争いに加わってくる。
ノットゥルノはJRA・美浦所属の6歳馬。3着だった前走の名古屋グランプリは転厩初戦で手探りの部分があり、展開的にも厳しい競馬だった。2022年ジャパンダートダービー勝ちなど大井で好走経験があることから条件的には今回の方がいい。前々で立ち回れる強みがあり、武豊騎手の手綱にも注目だ。
高知の4歳馬シンメデージーは昨年の東京ダービーで地方馬最先着の4着。その後も佐賀記念、名古屋グランプリでともに2着と、ダートグレードでJRA勢と互角の走りを見せている。他地区所属はデータ上、連対がないが今の充実ぶりなら上位に入ってもおかしくない。
《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。
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