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【さきたま杯】「1400m重賞実績」がカギ 好データ該当、コスタノヴァが短距離王襲名へ

2025 6/25 06:00菊池敬太
さきたま杯のピックアップデータ,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

上半期のダート短距離王決定戦

25日、さきたま杯(ダート1400m・JpnⅠ)が浦和競馬場で実施される。今年のフェブラリーステークスを制覇したコスタノヴァを筆頭に、かしわ記念で連覇を果たしたシャマル、昨年のJBCスプリント1、2着馬タガノビューティー、チカッパ、前哨戦のプラチナカップを快勝したティントレットなどJRAと地方からスピード自慢が集結した。

春のダート短距離王決定戦を制するのはどの馬か。まずは予想の前に過去10年のレース傾向を振り返ってみよう。

過去10年のさきたま杯,ⒸSPAIA
人気別成績(過去10年),ⒸSPAIA


人気別成績では、1番人気が【4-2-1-3】と勝率、連対率でトップ。2番人気は【1-3-4-2】、3番人気が【1-2-2-5】と複勝率では上位人気が安定。ただし、20、23年は7番人気馬が勝利を挙げており、伏兵にも注意が必要だ。

所属別成績(過去10年),ⒸSPAIA


所属別ではJRAが7勝を含む12連対(栗東8、美浦4)でリード。地方馬は2勝をマークする大井のほか、浦和、船橋、兵庫が各2連対だった。

年齢別成績(過去10年),ⒸSPAIA


年齢別では6歳馬が4勝を含む7連対で最多。5歳馬が6連対で続く。以下、8歳馬が5連対で、4歳馬と7歳馬が各1連対となっている。

実績面では連対馬20頭中14頭が1400mのダートグレード競走で連対歴。残る6頭中3頭は南関東1400m重賞またはGⅠ級競走(1400m以外)の勝ち馬だった。ほか、同年かしわ記念の5着以内馬は【1-2-4-4】と好相性だ。

連対馬20頭の脚質を見ると、【逃げ4 先行10 差し5 追込1】。先行馬を中心に小回りコース適性が高い馬の好走が目立つ。

さきたま杯のデータ(過去10年),ⒸSPAIA


コスタノヴァが新王者だ

◎コスタノヴァ
美浦所属の5歳馬で、今年のフェブラリーステークスでGⅠ初制覇。前走のかしわ記念は出遅れに加え、直線手前でバランスを崩したのが響いたが、それでも勝ち馬から0秒1差の3着まで迫った。

初めての浦和遠征となるが、小回り向きの器用さがあり、1400mという距離も根岸ステークス勝ちを含め2戦2勝と相性がいい。速い時計が出る今の浦和に替わるのもプラスに働きそうだ。1400mダートグレードの連対歴、かしわ記念5着以内と、実績面の好データに合致しており、前走のリベンジを果たして上半期の短距離王に名乗りを上げる。

◯エンペラーワケア
昨年は根岸ステークス、武蔵野ステークスを制した栗東所属の5歳馬。初めての地方遠征となった前走・黒船賞は高知の深い砂に対応できず3着に敗れたが、小回り向きの先行力が大きな強みで、1周競馬についても2度目なら慣れが見込める。

1400mでは【6-2-1-0】と抜群の安定感を誇っており、重賞で連対実績がある点も好材料だ。休み明けを苦にせず、スムーズに立ち回ることができれば好勝負可能だ。

▲シャマル
今年は黒船賞で3連覇を決め、前走のかしわ記念はゴール前で差し切り連覇と、7歳にしてさらにパワーアップした印象だ。さきたま杯はリピーターが多いように、本馬も22、24年と3着に好走している点は魅力。7歳馬は過去10年で1連対の身という点は気がかりだが、今の充実ぶりなら重賞3連勝も十分に狙える。

ほか、チカッパは昨年のJBCスプリント(佐賀)2着など、ダート1400mは【1-4-0-0】と安定感がある。後方からとなっている近走の脚質はデータ上マイナスだが、地方遠征では連対を外していない強みがあり、舞台替わりでも好走が期待できる。タガノビューティーは直近10年で5連対を誇る8歳馬。近走は結果が出ていないが、ハイペースの流れで展開がかみ合えば上位に浮上してもいい。

大井のティントレットは昨年の北海道スプリントカップで3着。前走は、今回と同舞台のプラチナカップを1分25秒1(良)の好時計で快勝しており、JRA勢が相手でも引けを取らない。ゲートに課題を残すが、スムーズに運べれば4年連続での地方馬による連対があってもおかしくない。船橋のムエックスは前走のオグリキャップ記念(笠松)を快勝し、久々の1400mに対応できたのは大きい。過去10年で5連対の5枠から、好位で立ち回ることができれば上位に絡んでもいい。

《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。

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