春のダートマイル王決定戦
5日(月・祝)に船橋競馬場でかしわ記念(ダート1600m・JpnⅠ)が実施される。数々の名馬が制してきた船橋競馬最大のレースに、連覇に挑むシャマルをはじめ、フェブラリーS覇者コスタノヴァ、昨年のJBCスプリント(佐賀)を制したタガノビューティーらが参戦。地方勢からもマイルチャンピオンシップ南部杯で3着の実績があるキタノヴィジョン(当時はJRA所属)など豪華メンバーがそろった。
ここからは過去10年の傾向を見ながら勝ち馬を導き出す。


過去10年の人気別成績を見ると、1番人気が【0-2-2-6】と2010年(エスポワールシチー)以来勝利がない。続く2番人気は【6-0-0-4】、3番人気は【1-0-4-5】。また2020年以降、5番人気以下が5年連続で連対を果たしている。

所属別ではJRAが連対馬18頭(栗東18、美浦0)とリード。ただ3着以内までを見ても全頭が栗東所属だった。地方馬では2015年ハッピースプリント(大井)が3着、2016年ソルテ(大井)が2着、2021年カジノフォンテン(船橋)が1着だった。

年齢別では6歳が8連対でトップ。5歳と7歳が各5連対で続く。以下、4歳と9歳がそれぞれ1連対している。
実績面では連対馬11頭がダートGⅠ(JpnⅠ含む)勝ち馬。残る9頭中7頭にダート1600m以上の重賞勝ち、またはGⅠ(JpnⅠ)で3着以内の実績があった。
また、3着以内に入った延べ30頭のうち20頭が前走フェブラリーS組【7-5-8-19】だった。ほか、脚質別の連対数では【逃げ5 先行8 差し7 追込0】。3着以内に入った21頭が4コーナーで4番手以内だった。

シャマルがJpnⅠ馬の貫禄を示す
◎シャマル
連覇がかかる栗東所属の7歳馬。6番人気だった昨年は積極策で押し切り、JpnⅠ初制覇を果たした。休み明け2戦目となった前走の黒船賞は59キロの斤量に屈せず4馬身差で圧勝しており、内容から上昇ムードは明らかだ。
逃げずに控える競馬もできる強みがあり、昨年と同じローテーションなのも魅力。期間中18連対のJRA・栗東所属で、5連対の7歳と好データ的にも合致しており、史上4頭目の連覇へ期待は大きい。
◯コスタノヴァ
前走のフェブラリーSを制覇するなどダートマイル戦は4戦4勝と抜群の相性を誇っている美浦所属馬で、過去10年中5連対の5歳。ただ、期間内では同年のフェブラリーS優勝馬が【0-1-1-4】と勝ち星なし。さらに美浦所属馬は同期間で3着以内がない点は割引だ。
地方の馬場は昨夏のクラスターC(6着)以来で、ナイター競馬は今回が初めて。いかに対応できるかがポイントだが、ベストの距離ならGⅠ馬として恥ずかしい競馬はしないはずだ。
▲タガノビューティー
栗東所属の8歳馬で、昨年のJBCスプリント勝ち馬。今年2戦は不本意な結果だが、かしわ記念は2023、24年に連続2着と相性がいい。前走フェブラリーS組は過去10年で7勝、なかでも6着以下は4勝をマークしており、8着だった本馬にとってはプラス。得意のコースに替われば上位に食い込んでも不思議はない。
ほか、ロードフォンスは前走のかきつばた記念で重賞初制覇を飾り、2走前にはコスタノヴァに次ぐ2着と好走した実力の持ち主だ。地方の馬場やナイター競馬は前走で経験済み。初めてのマイルに対応できれば上位を狙える。
昨年のかしわ記念で6着とマイル戦は少し忙しいウィリアムバローズだが、スムーズに主導権を握ればかなりしぶといタイプ。いかに自分のリズムで先行できるかがポイントになりそうだ。大井のキタノヴィジョンは転入初戦だが、昨年秋のマイルチャンピオンシップ南部杯で3着の実績がある。展開がかみ合えば上位に浮上してもおかしくない。
《ライタープロフィール》
菊池 敬太
サンケイスポーツで南関東競馬を中心に予想とコラムを掲載。
近況のレース内容や傾向、データのほか、現場取材などで集めた情報をもとに高配当を狙っている。
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