理想どおり2番手を追走
2024年のダート路線を締めくくる大一番、東京大賞典(GⅠ・ダート2000m)は10頭立てとなったがJRAからは豪華メンバーが集結。レースは坂井瑠星騎手騎乗で単勝1.3倍と圧倒的な人気を集めたフォーエバーヤングが勝利した。
フォーエバーヤングは前走のブリーダーズカップクラシック3着からの参戦となったが、状態について「前回がすごく良かったので、まだ本調子とはいかず8割くらいかなというイメージでした」と語った坂井騎手。管理する矢作芳人調教師も同様の見解でレースを迎えた。
同馬が好スタートを決めそのままハナを奪うのかとも思われたが、外からクラウンプライドを行かせて2番手。アメリカで前半から行かせる競馬を経験させたことで矢作調教師と坂井騎手が理想とするポジションを確保することができた。
1000mを1:03.0で通過し、レース後半に入ると各馬が一団となる展開。残り600mを切ったところで早くも坂井騎手の手が動き始める。それでも直線に向いて残り200mで先頭へ。
「負けないと思っていましたが、今後のことも考えてしっかり追いました」と余裕十分の内容で後続を寄せ付けず、1.3/4馬身差で完勝。絶好調とはいかない状態でもラスト11.8-12.0というラップで押し切るあたり、能力はライバル達より一枚上であることを証明した。
陣営から課題としてあがったのは勝負所で早めに手応えが悪くなった点だった。もちろん100%の状態ではなかったことが最大の理由だろうが、それは“世界一”を目指すためだ。
次走の予定について矢作調教師は「サウジアラビアのサウジカップを目標に仕上げていきたいと思います」とコメント。2025年はさらに進化したフォーエバーヤングが日本ダート界のトップとして活躍し、世界の頂点に立つというシーンが見られることを期待したい。
ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)