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【東京大賞典回顧】フォーエバーヤングが断然人気に応え快勝 2025年はサウジCから始動して目指すは“世界一”

2024 12/30 11:40三木俊幸
2024年東京大賞典勝ち馬フォーエバーヤング,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

理想どおり2番手を追走

2024年のダート路線を締めくくる大一番、東京大賞典(GⅠ・ダート2000m)は10頭立てとなったがJRAからは豪華メンバーが集結。レースは坂井瑠星騎手騎乗で単勝1.3倍と圧倒的な人気を集めたフォーエバーヤングが勝利した。

フォーエバーヤングは前走のブリーダーズカップクラシック3着からの参戦となったが、状態について「前回がすごく良かったので、まだ本調子とはいかず8割くらいかなというイメージでした」と語った坂井騎手。管理する矢作芳人調教師も同様の見解でレースを迎えた。

同馬が好スタートを決めそのままハナを奪うのかとも思われたが、外からクラウンプライドを行かせて2番手。アメリカで前半から行かせる競馬を経験させたことで矢作調教師と坂井騎手が理想とするポジションを確保することができた。

1000mを1:03.0で通過し、レース後半に入ると各馬が一団となる展開。残り600mを切ったところで早くも坂井騎手の手が動き始める。それでも直線に向いて残り200mで先頭へ。

「負けないと思っていましたが、今後のことも考えてしっかり追いました」と余裕十分の内容で後続を寄せ付けず、1.3/4馬身差で完勝。絶好調とはいかない状態でもラスト11.8-12.0というラップで押し切るあたり、能力はライバル達より一枚上であることを証明した。

陣営から課題としてあがったのは勝負所で早めに手応えが悪くなった点だった。もちろん100%の状態ではなかったことが最大の理由だろうが、それは“世界一”を目指すためだ。

次走の予定について矢作調教師は「サウジアラビアのサウジカップを目標に仕上げていきたいと思います」とコメント。2025年はさらに進化したフォーエバーヤングが日本ダート界のトップとして活躍し、世界の頂点に立つというシーンが見られることを期待したい。

2024年東京大賞典を制したフォーエバーヤングの口取り式の様子,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ウィルソンテソーロは2年連続の2着

ウィルソンテソーロは昨年に続いて2年連続の2着という結果に終わった。スタートしてから川田将雅騎手は、フォーエバーヤングをぴったりマークするように虎視眈々と1列後ろにつけた。

前走のチャンピオンズカップ2着の後、高木登厩舎に転厩して環境の変化があったにも関わらず、それを感じさせなかった。直線に向いてもスムーズに外に持ち出すことができ、自身が持てる力は発揮した。

3着はラムジェット。道中はフォーエバーヤングを前に見るポジションで運んだ。直線はインにこだわって最後はウィルソンテソーロと馬体を併せる形となったが、クビ差及ばなかった。ただチャンピオンズカップを挫石で回避するなど決して順調に来たわけではなかったが、しっかりと力は出し切れた。

2024年東京大賞典2着ウィルソンテソーロと3着ラムジェット,ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


東京大賞典3連覇を狙ったウシュバテソーロは、今回から菅原明良騎手との新コンビで挑んだ。道中は後方2番手追走から、直線で大外から伸びてきたが4着まで。スローペースで流れるなど展開も不向きだった。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。

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