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「ルメールは3項目でトップ」「1番人気で強い武豊」2019年リーディング上位騎手を分析

2020 1/9 11:00三木俊幸
2019年騎手トップ5
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ⒸSPAIA

川田騎手は特別レース勝利数でトップ

JRAの騎手リーディングは勝利数によって争われるが、大舞台に強い騎手や人気馬で好成績を残す騎手など、様々な角度から騎手を評価することができる。

そこで今回は2019年のJRAリーディングトップ5だったC.ルメール騎手、川田将雅騎手、武豊騎手、福永祐一騎手、戸崎圭太騎手にスポットを当て「勝利数」「総賞金」「GⅠ勝利数」「特別レース勝利数」「騎乗回数」「1番人気時の勝率」という6つのファクターからレーダーチャートで分析してみた。

2019年リーディング5位までのレーダーチャートⒸSPAIA

各項目の1位だった騎手には5ポイント、2位には4ポイント、3位には3ポイント、4位には2ポイント、5位には1ポイントを振り分けてトータルポイントを計算してみたところ、「勝利数」「総賞金」「GⅠ勝利数」の3つの項目でトップだったルメール騎手が23ポイントでトップとなり、さすがはリーディングジョッキーと言える安定した成績となっていた。

2位の川田騎手は合計20ポイント。「特別レース勝利数」が54勝でトップとなった一方で、「GⅠ勝利数」は人気馬に騎乗することが多かったものの、1勝のみで5人中4番目の成績だった。「勝利数」「総賞金」「1番人気時の勝率」ではルメール騎手には及ばず2位が3項目と日本人騎手の中では最上位の成績。一時はルメール騎手より成績がよかった。今年は1年を通じて好調を維持することを期待したい。

福永騎手は勝負強さを見せた

3位の武豊騎手はポイント数でも18ポイントで3位だった。エージェントが変わった効果もあり、111勝を挙げて4年ぶりに年間100勝をマーク。そのうち51勝が1番人気による勝利で、「1番人気時の勝率」は5人中トップの41.1%。これこそが数々の大舞台を経験してきたレジェンドらしいデータと言っていい。その他でも「総賞金」は最も少ない5位だったが、残りの4項目は全て3位と安定しており、コンスタントにどんな条件でも結果が出せる騎手だということをデータが物語っている。

リーディングは4位の福永騎手だったが、6項目のポイント数では武豊騎手と並んで18ポイントだった。1位の項目こそなかったものの「GⅠ勝利数」は3勝でルメール騎手についで2位となっており、「勝負弱い」という世間のイメージとは裏腹に、このデータからは勝負強い騎手と言ってもいいデータが見られた。

最後にリーディング5位だった戸崎騎手についても見ておこう。合計ポイントでは11ポイントと、5位だったのが6項目中4項目もあり、正直上位4人と比べると差があったと言わざるを得ない。しかし騎乗回数は752回でこのメンバーでは最も多く、騎乗回数を絞って有力馬のみに騎乗しているルメール騎手、川田騎手とは対照的な位置付けにある騎手だと言えるだろう。

2019年騎手インフォグラフィックⒸSPAIA