関西圏の重賞だが関東馬優勢
年の瀬の関西圏の名物重賞として定着した阪神カップ。昨年は11番人気のダイアナヘイローが逃げ切り、一昨年は引退レースだったイスラボニータが2番人気で復活Vを飾った。シーズン末期らしい波乱もあれば、高額賞金がかかるGⅡらしい順当な結果もある。短距離~マイル路線を締めくくる一戦をデータから整理してみる。
まずは、過去10年の年齢別成績から整理。

3、4歳【2-5-5-50】に対し、5歳以上は【8-6-4-92】とベテランが優勢。6歳が【4-2-1-28】と4頭の勝ち馬が出ており、勝率は唯一10%以上。
3~5歳の主力世代は、GⅠをピークにローテーションを組まれる秋シーズン。その敗戦組が余力をもって阪神カップに挑戦するのに対し、6歳世代はより実利を求めて狙いすましている可能性がある。
しかし、前走レース別成績を整理すると、見事に前走GⅠレース組が優位というデータにぶつかった。

マイルチャンピオンシップ組は出走頭数が多いので、率としては目立たない。だが、【4-5-4-35】と複勝圏内に多数なので、主力ローテといっていい。
一方、GⅠより実利という意味では、スワンS直行というローテも見落とせない。【2-0-1-8】と出走数は少ないが、こちらは率がいい。マイルチャンピオンシップではなく、あくまで1400m戦へこだわるという意図もあるだろう。また、夢よりリアルを求めてという意図も考えられる。
注目は関西圏の1200~1600mの重賞、マイルチャンピオンシップ、スワンS、京阪杯の3重賞を合算すると【7-6-6-63】。10年で7勝という成績は優秀といっていい。
さらに、美浦と栗東、所属別の成績を整理すると興味深い。

美浦【8-6-2-40】、栗東【2-5-7-103】で関東馬が圧倒している。関西圏最後の重賞にも関わらず、関東馬が強い。この違和感は覚えておきたい。
昨年こそ関西馬のダイアナヘイローが勝ったが、3着はスターオブペルシァ(12番人気)だった。2017年の1着は2番人気のイスラボニータで、16年はまたしても2番人気のイスラボニータが2着。15年は3番人気のロサギガンディアが1着と、必ず関東馬が1頭は複勝圏内に絡んでいる。
関西圏の重賞からここに出走、連続して遠征競馬に挑む関東馬は忘れずにチェックしたい。
















