「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

【ジャパンC】国際色ゼロ回避?集結した世界の名手たちが勝敗のカギを握る

2019 11/21 17:00SPAIA編集部
2019年ジャパンカップで本命に推されたスワーヴリチャードⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

勝ち馬は5番人気以内

1981(昭和56)年、ジャパンカップは日本初の国際招待競走、いわゆる国際GⅠとして創設された。メアジードーツが2分25秒3で優勝した第1回から数えて39回目となる今年は史上初外国馬の出走がゼロ。国際招待競走としての意義まで問われる異例のジャパンカップを迎える。

ただし、データをひも解くにあたり、影響は小規模なものになるはず。外国馬が馬券に絡んだのは13年前の2006年ウィジャボード(3着)が最後。これから示すデータは全て過去10年間のものなので、外国馬出走ゼロはデータ上の問題にはならない。 まずは、ジャパンカップの人気別成績をご覧いただこう。

ジャパンカップ人気順別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

創設当時こそ波乱傾向が強かったが、この10年では1番人気は4勝2着2回3着2回と堅実。勝ち馬は全て5番人気以内であり、連対圏内まで独占。複勝圏内まで広げれば6番人気以下も絡んでくるが、まずは上位人気に視線を向けるべきだろう。

王道ローテは京都大賞典と天皇賞(秋)

では、どんなレースを経由してきた馬がいいのか。ここからは具体的に前走レース別成績をみていく。

ジャパンカップ人気順別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

まず全体的に率が高い秋華賞と菊花賞、凱旋門賞に目がいく。このうち今年の登録馬で出走予定のカレンブーケドールが該当する秋華賞を掘り下げる。 秋華賞からジャパンカップに挑み、この10年で3着以内に入った馬は3頭。古い順から09年レッドディザイア(秋華賞1着→JC3着)、12年ジェンティルドンナ(秋華賞1着→JC1着)、18年アーモンドアイ(秋華賞1着→JC1着)。

牝馬クラシック三冠馬2頭と牝馬クラシック2、2、1着馬。今年出走するカレンブーケドールは桜花賞未出走で、オークス、秋華賞はいずれも2着。その取捨はやや難しく、一概に過去の3頭とは格が違うとは切り捨てられない。今年のジャパンカップ出走馬のレベルを考えれば余計に注意しておきたいところだ。

一方、古馬に目を向けると、優先出走権が与えられるステップレースであるアルゼンチン共和国杯組は3着1頭と不振。ルメールとデットーリと騎手を加味すれば注意したいところだが、ムイトオブリガード、ルックトゥワイスらは評価を下げるべきだろう。

表にはないが、オールカマーは2016年にゴールドアクターが同レース1着からジャパンカップに参戦し、4着という記録があるのみ。今年はレイデオロがオールカマー4着から参戦するが、ローテ革命の旗手ノーザンファーム産のクラブ馬だけに取捨は難しい。自身も間隔を開けた方が結果を出すだけになおさらだ。

データ上の主要ステップレースは京都大賞典と王道ローテの天皇賞(秋)に絞られる。   近年の主要ローテになりつつある京都大賞典組だが、2016年キタサンブラック、サウンズオブアース、17年シュヴァルグランの3頭が本番で結果を出している。いずれも京都大賞典が秋緒戦、つまり休み明けだった。これはジャパンカップを目標にした狙い済ましたローテであると言える。今年の登録馬ではダンビュライト、エタリオウがこれに該当。いずれも伏兵ではあるが、ノーマークは禁物ではなかろうか。

天皇賞(秋)でどのような馬が上位に来るのか?

もっとも出走数が多いため率では見劣るが、天皇賞(秋)組は当然ながら王道ローテ。 こちらは着順の出し入れに注目したい。

天皇賞秋とジャパンカップの着順比較ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

これはジャパンカップで3着以内に入った前走天皇賞(秋)組の着順比較だ。2017年キタサンブラック、2015年ラブリーデイのように天皇賞(秋)上位好走馬が着順を下げるケースが目立ち、反対に天皇賞(秋)凡走からジャパンカップで着順を上げる馬も多い。これは同じ東京競馬場でも芝2000mと芝2400mでは問われる適性が違う、似て非なる部分が多いからではないか。

今年は天皇賞(秋)でゴール前遅れて差し込んできたユーキャンスマイル(4着)、ワグネリアン(5着)、スワーヴリチャード(7着)らに警戒したい。 最後はジャパンカップらしいデータをひとつ。

天皇賞秋とジャパンカップの着順比較ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

騎手に関するデータで、前走からの継続騎乗と乗り替わりの差を表したもの。GⅠのなかでは継続と乗り替わりに差はないレースだが、注目は3列目。これはJRAの騎手から短期免許来日中の外国人ジョッキーに乗り替わったケース。今年も大挙来日中の外国人ジョッキーの一発勝負が目立つ。記憶に新しいのは17年シュヴァルグラン(H.ボウマン)もこのデータに該当。今年はスミヨン、ムーア、マーフィー、ビュイックにデットーリと5人がジャパンカップに乗り替わりで騎乗する。当然ながら見逃せない。

本命はデータにも合致してコース適性の高いあの馬

ということで、まとめると、

・上位人気馬が強く、人気薄は3着までと考える。
・3歳牝馬は秋華賞勝ちレベルが必要。
・京都大賞典組は休み明け2戦目の狙ったローテの組が狙い。
・天皇賞(秋)組は凡走組の巻き返しに注意。
・短期免許来日中の外国人ジョッキーへの乗り替わりは見逃すな!

この5点から登録馬をみていくと、
◎スワーヴリチャード
○ワグネリアン
▲ユーキャンスマイル
△エタリオウ
△カレンブーケドール
△ダンビュライト
△レイデオロ

O.マーフィーに乗り替わるスワーヴリチャードが本命。昨年のジャパンカップで3着好走、日本ダービー2着もあり、このコースへの適性は高い。休み明けの天皇賞(秋)を叩いてここは狙ったローテーションであることも好感。以下はデータに該当する馬たちに印を打った。

異例のジャパンカップではあるが、昨年のような断然支持の主役不在であることは、その分、上位人気絡みでも妙味は十分。馬券検討のしがいがある一戦だけに積極的に参加してみたい。