開幕週は良好な馬場状態
秋の福島開催、2週目となる11月10日には福島記念(GⅢ・芝2000m)が行われる。毎年フルゲートになるハンデ戦ということもあって、2桁人気馬の好走も目立っている。そんな難解な名物重賞を馬場傾向の観点から分析、予想していく。
まずは先週11月2、3日に福島競馬場で行われた芝のレース結果を振り返る。

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合計11レースのうち6レースが1200m戦だったが、いずれも1:08秒台での決着となっており、秋のローカル開催だということを考えると良好なタイムが出ていると言えるだろう。1鞍だけ行われた1勝クラスの2000m戦のタイムが1:59.8だったことからも、福島記念は1:57秒台後半から1:58秒台前半の決着になりそうだ。
上がりタイムは小回りコースらしく1着平均34.8、2着平均34.8、3着平均35.2で、1〜3着馬の平均上がりタイムは35.0。このことから、切れるタイプよりも長く良い脚を使うタイプが合っていそうだ。

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脚質は逃げ馬も馬券圏内に絡んでいるが、開幕週ということもあり差し馬の台頭が目立つ。4角の通過順位を数値化した4角平均通過ポイントでは、1着2.3P、2着2.5P、3着2.3Pで1〜3着までの平均は2.4Pとなっていた。
ロングスパートができる馬を狙え
これらの傾向は、過去の福島記念のデータにも当てはまっているのだろうか。まずは過去10年の上がりタイムを見ていこう。ただし、新潟競馬場で開催した2011年は求められる適性が違うので除外する。

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33秒台の決着は一度もなく、それどころか35秒以上かかっている傾向。1着平均35.5、2着平均35.5、3着平均35.4で1〜3着の平均も35.5となっている。先週の馬場傾向と比較すると、今年はもう少し速い上がりになるかもしれない。だが、データ通り35秒台の上がりに強い馬を狙う方が良さそうだ。

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続いて、2011年を除く過去9年の通過順位。1着馬に関しては先行している馬が多いものの、2、3着馬は3コーナーまでの通過順位が10番手以下も多い。ただし、4コーナー時点で好位に取り付いている場合が多いので、ロングスパートができる馬に適性があると考えられる。
4角平均通過ポイントは1着2.0P、2着2.2P、3着2.6P、1〜3着の平均は2.3Pで先週の傾向とほぼ同じ数値だ。
ウインイクシードは高配当を演出できるか
これらのデータから推奨する馬は以下の5頭。

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本命は、上がり平均35.6で+0.1秒、4角平均通過ポイント−0.2Pだったウインイクシード。前走のWASJ第2戦で3勝クラスを勝ったばかりだが、上がりのかかる馬場を得意としているため、馬場適性はNo.1と言える。人気もなさそうなので、高配当をもたらしてほしいところだ。
対抗は上がり平均35.3、4角平均通過ポイント2.4Pのクレッシェンドラヴ。福島コースは3戦して2着が3回と、勝ちきれてはいないものの馬券圏内に好走している。また2走前の七夕賞では中団から長く良い脚を使う競馬を見せており、今回も好レースができそうだ。ハンデ55kgなら、あっさり勝たれても不思議ではない。
2歳時にGIホープフルSで1着のサートゥルナーリアに次いで2着だった、3歳馬のアドマイヤジャスタ。当時から上がりのかかる馬場を得意としており、近2走大敗しているが、2400mの距離が影響したと考えられる。距離短縮で53kgという条件は、プラスに働きそうなので3番手評価とした。また、騎乗する藤田菜七子騎手は勝利すればJRA初重賞制覇となるため、その騎乗にも注目したい。
馬券圏外が3、4走前の2回のみのアロハリリーは安定感がある。うまく立ち回れるタイプで小回りも向く。
逃げればしぶといリリックドラマは、上がりがかかる展開になれば、軽量52kgを生かして粘り込みがあるかもしれない。
▽福島記念予想▽
◎ウインイクシード
○クレッシェンドラヴ
▲アドマイヤジャスタ
△アロハリリー
×リリックドラマ