スピード馬場もレース当日は雨予報
10月19日(土)、東京競馬場では富士S(GⅢ・芝1600m)が行われる。今年は、NHKマイルCを勝利したアドマイヤマーズやヴィクトリアマイルを優勝したノームコアなどが、マイルCSへ向けて出走する。いつものように、馬場適性などのデータからレースを分析していきたい。
まずは10月14日と15日に東京競馬場で行われた芝レースの結果を振り返る。
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土曜日と日曜日に予定されていたレースが台風の影響で中止となり、馬場状態にも影響が出るのではないかと心配されていた。だが、水はけが良いこともあり、月曜日のレース前には良馬場に回復。
その後再び雨が降って稍重になったものの、府中牝馬Sでは1:44.5と速い時計が出ている。引き続き今週もスピード馬場になると予想するが、金曜日から土曜日の午前中にかけ雨予報になっている点が気掛かり。
勝ち馬の上がりタイムも平均34.2。府中牝馬Sでは、スカーレットカラーが33.2という上がりを使っており、仮に雨が降ったとしてもレース時に止んでいれば、33秒台後半の上がり決着になるのではないかと考える。
脚質では、逃げ2レース、先行5レース、差し3レース、追込1レースという内訳となっていた。数字面では先行馬が有利だが、ペース次第では外からも差しが決まっているので、有利不利はなさそうだ。
過去のデータから瞬発力が必要
続いて過去10年の富士Sの上がりタイムを見ていこう。
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平均タイムは、1着33.8、2着33.9、3着34.0。1着馬に至っては、良馬場で行われた8回のうち、勝ち馬は2009年を除いて、32〜33秒台といった速い上がりを使っている。2着馬と3着馬においても、基本的に瞬発力のある馬でないと馬券に絡むことはできないだろう。
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過去10年の通過順位を見てみると、10番手以下から馬券に絡んでいる馬が多いものの、その半面、4コーナーで4番手以内にいた馬が4勝、2着3回、3着5回と多いのも特徴的。
4コーナー通過時の脚質を公平に分析できるよう通過順位をポイント化し、逃げ1ポイント、先行2ポイント、差し3ポイント、追込4ポイントとする。それらを振りわける「4コーナー平均通過ポイント」では、1着2.6、2着2.7、3着2.8となっている。今後は、このデータも活用し予想を組み立てていく。
3kg差を活かしての好走に期待
今年の出走馬の適性を分析した結果、推奨馬は以下の5頭とした。
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過去10年で勝ち馬の平均上がり33.8に最も近かったのは、平均33.9のアドマイヤマーズ、カテドラル、レイエンダの3頭。4コーナー平均通過ポイントではアドマイヤマーズ2.2、カテドラル2.5、レイエンダ3.0となっており、総合した結果、適性が最も高いのはカテドラルだった。
NHKマイルCでアドマイヤマーズに0.1秒の3着になった実績がある。アドマイヤマーズ57kgに対しカテドラルは54kgと3kgの差があるのは有利。今回も馬券圏内に好走してくれることを期待して本命とする。
対抗馬は、5戦5勝とマイル戦を最も得意としているアドマイヤマーズ。本来ならこの馬を本命にするべきだろうが、斤量57kgを考慮して2番手までとした。だが、ここまで順調に調整されているのでここで圧勝しても不思議はない。
3番手のレッドオルガは平均上がり34.2だが、東京コースでは、前走のヴィクトリアマイルを除いて安定した成績を残している。また、4コーナー平均通過ポイントもピッタリの2.6で、馬場が渋っても対応可能。
距離短縮と4コーナー平均通過ポイント3.0を考慮し、少々評価を下げたレイエンダだが、名手クリストフ・スミヨンが鞍上ということで心強い。エプソムCでは稍重で勝利していることから、パンパンの良馬場より少し雨が降ったくらいの方が合っているのかもしれない。
最後は、前走のヴィクトリアマイルで1:30.5という驚きのタイムで勝利したノームコアだが、平均上がりは34.5と遅い。道悪は決してプラスにならないため、馬場状態がカギとなりそうだ。
▽富士S予想▽
◎カテドラル
○アドマイヤマーズ
▲レッドオルガ
△レイエンダ
△ノームコア
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