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【東京盃】藤田菜七子騎手が重賞初V 勝因は「スタートのうまさ」と「思い切りのよさ」

2019 10/3 11:30SPAIA編集部
2019年東京盃を制した藤田菜七子騎手ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

悲願の重賞初制覇

10月2日(水)、大井競馬場ではJBCスプリントの前哨戦である東京盃(JpnⅡ・ダート1200m)が行われた。単勝1.5倍で1番人気に推されたのは、コパノキッキング。2番人気は前走のサマーチャンピオンで2着だったヒザクリゲ、3番人気はサマーチャンピオンを勝利し、このレースに挑んだグランドボヌールでレースを迎える。

好スタートを切ったのは地方馬クルセイズスピリツだったが、内から気合いをつけて先手を主張したコパノキッキングがハナを切る形となった。3番手にはサクセスエナジー、そして中団から徐々にグランドボヌールも進出を見せて前半600mを34.3秒で通過する。

直線に向いてもコパノキッキングの脚色は衰えず、どんどんとリードを広げ、結局2着に4馬身差をつけての快勝となった。

ゴール前のコパノキッキングⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

鞍上の藤田菜七子騎手はデビュー4年目にして悲願の重賞初制覇となった。2着には中団から差してきた地方馬ブルドッグボス、3着は先行したサクセスエナジーという結果に終わった。

藤田騎手の強みは「スタートのうまさ」と「思い切りのよさ」

返し馬の段階でコパノキッキングの状態の良さを感じた藤田騎手は、「どう乗るか最後まで悩んだが、ゲートを出たら主張して行こうと思っていた」とコメント。

東京盃勝利後の藤田騎手ⒸSPAIA

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

1200mを使われた2走前の東京スプリントでは出遅れて2着、前走のクラスターCでは先行したものの、伸びきれずに3着という結果に終わっていただけに、今回は思い切ったすばらしい騎乗だったと言えるだろう。

藤田菜七子騎手は9月29日時点でJRA通算30勝を挙げ、自身が持つJRA女性騎手年間最多勝記録を更新中。その30勝のうち3ハロンで先頭に立っていた時の勝利数が12、率の面でも成績がいい。

3ハロンの通過順位別成績ⒸSPAIA

ⒸSPAIA

東京スプリントでは出遅れたが、本来はスタートがうまいタイプ。それに、ハナを譲らない思いっきりのよさも兼ね備えている。これが好成績につながっている要因ではないだろうか。

今回騎乗したコパノキッキングだが、モマれるともろいタイプなだけに、絶好枠の2枠2番が逆にアダとなる可能性があった。それを藤田騎手の強みでカバーし、この馬の力を最大限発揮させた形となった。

なお、この結果を受けてオーナーのDr.コパこと小林祥晃氏は、優先出走権を獲得したJBCスプリントへの参戦を示唆した。今日のような形を取れれば、コーナー4つの浦和1400mにも対応可能だろう。

予想は、過去の上がりデータからニホンピロタイドを本命にしたが、スタートで後手を踏み中団からのレースとなってしまい、6着に終わっている。まだ3勝クラスを勝ったばかりで、重賞では荷が重かったのかもしれない。

表彰式のコパノキッキング陣営ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)


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