札幌に世界の名手が参戦
凱旋門賞本番を想定した競馬をしたブラストワンピースと、本番を見据えた競馬をしたフィエールマン。1着と3着という着順はその差が出たように思う。いずれにせよ、凱旋門賞へ参戦予定の2頭には頑張ってもらいたい。ちなみに、ワグネリアンは落鉄していたとか。それで4着なら悲観する内容でなく、これも秋が楽しみだ。
もう一つの重賞、北九州記念は1、2番人気がそろって飛ぶ予想はよかったが、当たったのはそれだけ。勝ち馬は相性のいいアイビスSDからの参戦。見逃したわけではないが、軽視した自分が悪い。トンネルの出口が見えない。
今週はキーンランドCはもちろん注目のレースだが、札幌では同じ週にWASJが行われる。世界各国のトップジョッキーが札幌に集結。その手綱さばきに要注目だ。
乗り替わりより継続騎乗
トップジョッキーが来日するということで、陣営としても依頼しない手はない。キーンランドCにもWASJに出場する騎手への騎乗依頼がある。そこで、前走から乗り替わった馬と継続騎乗の馬、どちらの成績がいいのかを調べてみた。今回は札幌競馬場で行われた過去10回のデータ(2013年は函館開催)で予想していく。
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滞在競馬を思うと続けて乗った馬の方が少ないのには驚いたが、成績がいいのは継続騎乗の方。外国人騎手の腕も魅力だが、このレースでは前走と同じ騎手騎乗の馬を狙いたい。
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続いて脚質。前から順番に成績がいい。小回りの短距離戦らしいデータといえるだろうか。迷ったら逃げ、先行馬を買え、である。
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続いて年齢別成績。勝率、連対率がいいのは4歳馬。そして、勝ち鞍が最も多いのは5歳馬。ほかの世代は少し割り引きたい。また、性別ではサンプル数が少ない牝馬の方が勝ち鞍が倍もある。これはかなり強調できるデータといえる。
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サマースプリントシリーズも後半戦。チャンスがある馬は、優勝狙いのローテーションに切り替えてもおかしくない。上記の表を見ると、王道ローテは函館SS経由だが、逆にアイビスSDからの参戦組は結構厳しい戦いを強いられている。また、函館SSから参戦してキーンランドCで3着以内に来た馬は、全て函館SSで3着以内の馬だった。
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最後に前走の格。3勝クラスを使っていた馬が強いのは北九州記念と共通するところ。逆にオープン特別組の成績が冴えず、割引が必要になる。
注目すべきデータは「牝馬」と「函館SS組」
キーンランドCのデータ上の推奨は以下の通り。
①前走から騎乗継続の馬
②逃げ、先行脚質
③4歳馬。次点は5歳馬
④牝馬
⑤函館SSで3着以内は◎、アイビスSD組は割引
⑥前走オープン特別組も割引
今回、最も強いデータは④と⑤。ただ、今年の函館SSは1~3着が全て牡馬。まずは④の牝馬から見ていく。今年は5頭が参戦するが、パラダイスガーデン、リナーテは【0009】と相性最悪のUHB賞組。ペイシャフェリシタは函館SSで5着だから、これも除外。残ったのは高松宮記念から参戦のデアレガーロと、チェアマンズスプリントから参戦のナックビーナスの2頭。年齢では前者、脚質で後者が有利だが、池添謙騎手が続けて手綱を取るデアレガーロの方を上に取る。
函館SSの上位3頭はどうか。優勝馬カイザーメランジェは次走にアイビスSDを挟んでいる。普通ならマイナスだが、本気でサマースプリント優勝を狙いにきたともとれる。着順は前後するが、2012年のパドトロワは函館SSを3着、アイビスSDを1着とし、キーンランドCを優勝して見事サマースプリントシリーズを制した例に近い。
2着馬アスターペガサスは年齢と乗り替わりでマイナス2つ。3着タワーオブロンドンは乗り替わりだけ。函館SSからはカイザーメランジェとタワーオブロンドンを選びたい。
今回、人気が予想される馬だが、セイウンコウセイ(年齢)、ダノンスマッシュ(乗り替わり)、ライオンボス(アイビスSD経由、乗り替わり)はいずれもマイナス要素を抱える。ただ、ダノンスマッシュは函館SSで川田騎手が騎乗予定で、しかも不運としかいいようがない除外理由。出走していれば「勝っていたかもしれない」ということで、ダノンスマッシュを付け加える。
馬券はデアレガーロ、カイザーメランジェ、タワーオブロンドン、ダノンスマッシュの4頭馬連BOXを800円ずつ(計4800円)。200円余るので、最も人気のない組み合わせのデアレガーロとカイザーメランジェの目だけ1000円にする。
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《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記事を執筆中。