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勝ち馬の平均上がりは37.2 ジャパンダートダービーは帝王賞とリンクしている?

2019 7/9 15:00三木俊幸
大井競馬場Ⓒ三木俊幸
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Ⓒ三木俊幸

過去10年ではJRA所属馬が8勝

7月10日(水)、大井競馬場ではJRA所属馬と地方所属の3歳馬による砂の王者決定戦、ジャパンダートダービー(GⅠ・ダート2000m)が行われる。2週前に行われた帝王賞に続き、今回も上がりタイムを重視したデータをもとに予想を行なっていきたい。

まずは、過去10年の優勝馬について振り返っていこう。

過去10年のジャパンダートダービーの優勝馬の成績ⒸSPAIA

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JRA所属馬が8勝と圧倒的に好成績を残しているが、2010年のマグニフィカ、2017年のヒガシウィルウィンと地方所属馬も2勝しているので、全くチャンスがないわけではない。

勝ちタイムを見てみると、2014年の2:03.9が最も速く、それ以外は2:04.5〜2:05.8の間での決着となっており、比較的時計がかかっていることが見てとれる。これが地方馬でも通用する要因ではないだろうか。

脚質では、半分にあたる5頭が4コーナー通過時に6番手以下から勝利を果たしており、差し馬の活躍が目立っている。また優勝馬の平均上がりタイムは37.2で、JRAの競馬場のように速い上がりは要求されない、力の要るコースだということができるだろう。

帝王賞より上がりがかかる傾向

では2週前に行われる帝王賞とジャパンダートダービーは同じ距離で行われることから、脚質や上がりタイムに関連性はあるのかを比較してみる。

過去10年の帝王賞とJDD通過順位比較ⒸSPAIA

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あまり関連性がなさそうに見受けられるが、帝王賞が差し決着となった2017年以降はジャパンダートダービーも差し決着となっているという傾向が見られる。

今年の帝王賞はオメガパフュームが豪快に差し切って勝利しただけに、今年も差し馬を重視した予想を組み立てるのがいいかもしれない。

過去10年 帝王賞とJDD上がり比較ⒸSPAIA

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上がりタイムの比較では一線級の古馬と3歳馬という違いがあることから、帝王賞の36.8よりジャパンダートダービーの方が37.2と0.4秒平均上がりがかかっている。今年の帝王賞を勝利したオメガパフュームは36.7の上がりを使っていることからも、ジャパンダートダービーは37秒前半の上がりの決着になるのではないかと予測する。

クリソベリルに死角なし?

JRA所属馬7頭に加えて、注目の地方馬2頭の合計9頭が3着以内となった時の平均上がりタイムは以下の通りだ。

ジャパンダートダービー出走馬の3着以内の時の平均上がりⒸSPAIA

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データから適性が最も高いのはクリソベリル。平均の上がりタイムは過去10年の平均37.2と全く同じ。前走の兵庫チャンピオンシップでは、小回りということもあって先行するレースを見せたが、2走前の3歳500万下では差す競馬で勝利している。自在性があり、欠点は見当たらない。

デアフルーグは、前走のユニコーンSでは7着に敗れているが、1800m以上では安定した成績を残している上、平均の上がりは37.3、差し脚質ということで高い評価をしていい。前走からの巻き返しに期待したい。

デルマルーヴルは、前走ドバイのUAEダービーは4着だった。国内では、全日本2歳優駿で2着、ヒヤシンスSで3着と安定感はあるものの、やはり距離はマイルあたりがベストなのかもしれない。

ドウドウキリシマは平均の上がりが37.1と馬場適性は高そうだが、1400mを中心に使われており、こちらも2000mへの一気の距離延長が不安だ。

ロードグラディオは、禁止薬物摂取の可能性があったため、ユニコーンSを除外となった後に、2勝クラスのリボン賞で強い勝ち方をみせた。その内容からも、3歳同士の戦いであれば、ここでも十分通用する素質があることを証明している。2000mにも対応できそうなので、面白い存在だろう。

地方馬からはミューチャリーを取り上げておく。平均の上がりは38.3とJRAの馬と比べると遅いが、2走前の羽田盃では上がり36.9を使い、2着馬に1.0秒の差をつけて勝利している。地方競馬場の方が砂質が重いため、この36.9秒を使って勝っているなら中央馬相手でもそん色なし。差しが届きやすい傾向が出ている今回、時計面で大幅な短縮が必要となるが、中央馬相手に好走してくれることを期待したい。

▽ジャパンダートダービー予想▽
◎クリソベリル
○デアフルーグ
▲ロードグラディオ
△ミューチャリー