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【帝王賞】インティが天下統一へ 6月26日は上半期のダート王決定戦

2019 6/23 16:30門田光生
本命に推されたインティⒸ三木俊幸
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Ⓒ三木俊幸

広くて大きい大井競馬場

6月26日(水)に大井競馬場で上半期の大一番、帝王賞が行われる。JRAの強豪も参戦するレースとあって注目度はかなり高い。

大井競馬場の概要を簡単に説明しよう。1周が1600m(外回り)で、南関東では最も大きい競馬場である。地方競馬全体で見ても、門別、盛岡競馬場と並んで最大。

ダートコースだけでいえば函館や福島などのローカル競馬場より大きいのはもちろん、京都競馬場(ダート1周1607m)と比べても同じくらいの広さがある。距離によって内回り、外回りが分かれていて、帝王賞が行われるダート2000mは外回りで行われる。

直線が385.8mもあるので、先行、差しの差があまり出ないといわれているが、実際に開催を通して感じる印象は、日によって傾向が強く出ること。インが強かったり、差し馬台頭が目立ったりと、その日のレースを見てどこが有利か見極める必要がある。また、雨が降るとガラッと傾向が変わるので注意が必要だ。

過去10年で地方馬が勝ったのはフリオーソだけ

過去10年の傾向を見ると、さすがにJRAの一流馬が参戦するレースだけあって、地方所属馬を圧倒している。

帝王賞所属の上位馬ⒸSPAIA

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ここ10年で地方所属馬が勝利したのは2010年のフリオーソだけ。フリオーソは初期から引退直前までJRAの強豪と互角に渡り合った名馬。それぐらいのクラスでないと勝ち負けは厳しいかもしれない。

帝王賞上位馬の父系ⒸSPAIA

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活躍が目立つのはゴールドアリュール産駒。エスポワールシチー、スマートファルコン、コパノリッキー、クリソライト、ゴールドドリームと5頭が馬券に絡んでおり、いずれもダートの超一流馬。

ただ、今年はそのゴールドアリュール産駒は出走しない。次点のキングカメハメハ産駒は2頭(チュウワウィザード、グレイトパール)出走しているが、ゴールドアリュールほどの信頼度はなく、血統はそれほど気にしなくていいかもしれない。

実力、データともにインティで文句なし

最後に、前走からのローテーション。とにかくかしわ記念を経由してきた馬が圧倒的。これは譲れない点になりそうだ。

帝王賞上位馬の前走ⒸSPAIA

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今回、データは少ないが、
①JRA所属
②前走がかしわ記念
この2点と前走内容などを加味して予想していきたい。

上記2点に当てはまるのはアポロケンタッキー、インティ、そしてオールブラッシュの3頭。この3頭の中で文句なしに強い競馬をしたのは2着馬のインティ。できれば逃げたい馬だが、前回はスタートがあまりよくなく3番手からの競馬。しかも、途中でオールブラッシュが上がってきて早めに仕掛けざるを得ない展開。3角で先頭と、かなり早めの競馬になってしまったが、それでも最後まで粘っての2着。地力を示すのには十分の内容だった。前走で先着を許したゴールドドリームが不在なら主役の座は譲れない。

オールブラッシュは年齢を重ねるにつれて気分屋な面が解消してきたとはいえ、やはり展開がかみ合わないと上位争いは難しい印象。アポロケンタッキーはそのかしわ記念で3着と古豪健在をアピールしたが、南関東4場の中では抜けて船橋に適性が高い。大井で東京大賞典勝ちの実績はあるものの、前走以上となるとどうか。

新興勢力ではオメガパフュームとチュウワウィザード。ともに地方競馬にも実績があり、オメガパフュームは母の父がゴールドアリュール、チュウワウィザードは父がキングカメハだから、ともにこのレースと相性のいい血を引いているのも魅力。本線はこの2頭だろう。ミツバも力はあるが、モマれ弱さがあって当てにしづらいタイプ。積極的には買いづらい。

地方馬は今回も厳しい戦いを強いられそうだが、ノンコノユメ、サウンドトゥルーは過去にこのレースで馬券対象になった実力馬。リピーターがよく来るレースでもあるので注目して損はない。道営のトップ、スーパーステションは昨年の東京大賞典で6着と健闘。今年も上々の滑りだしをしており、このメンバーでどこまでやれるか楽しみ。

交流重賞は人気通りに決まると配当が安いことが多いので、インティを1着固定にし、相手にオメガパフュームとチュウワウィザードの2頭で勝負。

《ライタープロフィール》
門田 光生(かどた みつお)
競馬専門紙「競馬ニホン」で調教班として20年以上在籍。本社予想や「最終逆転」コーナーを担当し、編集部チーフも兼任。現在、サンケイスポーツにて地方競馬を中心に予想・記を執筆中。