競馬界に衝撃が走る
6月15日未明、衝撃が走った。JRAからの緊急のアナウンスがあり、飼料添加物のグリーンカルに一時的に競走馬の能力を高める効果がある禁止薬物「テオブロミン」が含まれていたことが判明した。
週末に東京、阪神、函館の各競馬場で出走予定だった156頭については、禁止薬物影響下にある可能性が否定できないため、競走から除外すると発表したのだ。
この禁止薬物「テオブロミン」とは、カカオの主成分である、カフェインに似た成分で、覚醒効果や血管拡張の効果があるとされている。副作用の影響で、死に至るケースもある。一般的に、犬にチョコをあげてはいけないとされているが、競走馬も例に漏れない。
これに伴い、重賞の函館スプリントSはシュウジ、ライトオンキュー、リナーテ、ダノンスマッシュ、トウショウピスト、タマモブリリアンの6頭が除外となり、7頭立てに変更。もう一つの重賞、ユニコーンSはサトノギャロスとロードグラディオの2頭を除外して13頭立てとなった。
これら除外となった多くの馬は栗東所属の馬(栗東21厩舎、美浦6厩舎)で、特に阪神開催と函館開催で大きな影響が見られた。当該厩舎の次週出走予定馬については15〜16日の間に薬物検査用の採血が行われた。
問題となったグリーンカルはJRAファシリティーズでも紹介されている一般的なサプリメントだった。通常サプリメントを販売する際には、競走馬理化学研究所の検査結果が出てから販売されるが、今回は検査結果が判明する前に販売していたという。在庫品については速やかに回収が進められたが、まさか禁止薬物が混入されているとは誰も想像すらしていなかっただろう。