降級制度の廃止に伴う変更
「夏競馬は降級馬を狙え!」という言葉は、もう使われることはない。なぜならば、JRAでは日本ダービーの翌週、6月から始まる夏競馬から、昨年まで行われていた降級制度を廃止するとともに、条件戦の呼称が変更される。
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競馬ファンの間では当たり前のように使われていた500万下、1000万下、1600万下という呼び方は、それぞれ1勝クラス、2勝クラス、3勝クラスとなる。なお新馬、未勝利、リステッド、重賞競走については変更されない。
この背景には、競馬初心者にも分かりやすいシンプルな呼び方にすることで、より競馬を身近に感じてもらい、ファンの獲得につなげたいという狙いがあると推測する。実際にJRAのCMも競馬初心者をターゲットにしたものだと言える。
その一方でコアな競馬ファンにとってみれば、急に1勝クラスという言葉を使われてもピンとこない、またはついつい500万下と言ってしまうことも増えることが予想される。
実際に想像してみよう。これまで何気なく使っていた「まだ500万を勝ったばかりだから1000万では通用しないだろう」という言葉は、今後「まだ1勝クラスを勝ったばかりだから、2勝クラスでは通用しないだろう」に変わる。
声に出して読んでみると、慣れていないせいもあってか、どこか堅苦しく違和感を感じてしまう。そうしたこともあり、当面の間は現行の呼び方は併記されるので、徐々に慣れていくしかないだろう。