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【ヴィクトリアM】今週も差し馬が有利な馬場 人馬とも悲願のGⅠ勝利へ

2019 5/11 15:00三木俊幸
中山牝馬Sを勝ったフロンテアクイーンⒸ三木俊幸
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Ⓒ三木俊幸

今週からBコース替わりも傾向は変わらず?

5月12日(日)に行われるのが古馬牝馬のマイル女王決定戦、ヴィクトリアマイル(GⅠ 芝1600m)である。過去5年で1番人気馬の勝利はなく、⑧⑥⑦⑤⑪番人気の馬が勝利するなど、春の東京開催では最も荒れるGⅠだと言ってもいいだろう。そんな難解なレースを、先週の馬場傾向と各馬の馬場適性から分析していこう。

先週、5月4日(土)は大粒のひょうが降るなど急激な天候の変化もあり、東京競馬は10レース以降が中止になるという出来事があった。芝コースの馬場状態もそれまで良馬場だったのが、一気に重馬場になってしまうほどであった。

そんな状況であったにも関わらず、日曜日の時計は相変わらず速い傾向が見られており、芝1600mで行われた湘南Sは1:32.6、NHKマイルCは1:32.4というタイムが計測されている。

5月4、5日の東京芝コースの結果

ⒸSPAIA

これでも十分速いタイムではあるが、実際に芝を触ってみると表面は乾いていたものの、少し膝をついただけでズボンが湿ってしまうなど、完全に乾き切った状態ではなかった。その中でのタイムということを踏まえると、今週のヴィクトリアマイルでは1分31秒台の決着になっても不思議ではない。

上がりについては、土曜日のオールザゴーが勝った1000万下のレースでは上がり32.5、日曜日に良馬場に回復した直後に行われた1000万下で勝利したカヴァルが32.7を記録するなど、切れ味のある馬でないと厳しい馬場だった。同様に脚質も10レース中8レースが差し・追込馬だったということからも、先行馬には厳しい馬場状態だということが見てとれる。

今週からBコースに変わるが、極端に馬場傾向が変わるとは考えにくく、引き続き鋭い切れ味が使える差し馬を狙うのがいいだろう。

馬券で狙うは2頭

本命はフロンテアクイーン。東京コースの成績は(1,3,1,4)だが、2017年のユートピアSでは上がり32.9を使っての勝利。4走前の府中牝馬Sでも同じく32.9の上がりを使って勝ったディアドラと0.1秒差の3着という実績もある。脚質的にも自在性があり、ある程度の位置でじっくり足をためられそうだ。

フロンテアクイーンは、前走の中山牝馬Sで重賞初勝利を挙げて、惜敗続きにピリオドを打った。また、鞍上の三浦皇成騎手も同レースで通算700勝を達成しており、人馬とも勢いに乗って今度はGⅠ初制覇といきたいところだ。

対抗はレッドオルガ。鋭い切れ味が魅力的な馬である。4走前の紅葉Sでは32.9の上がりを使って勝利するなど、東京コースでは(2,1,2,0)と安定感は抜群。さらに半兄クラレント、全姉レッドアヴァンセ、半弟レッドヴェイロンが東京のマイルGⅠで好走しており、同馬にも好走の期待は高まる。

以下、1分31秒台での好走経験が豊富なプリモシーン、牡馬相手の中山記念でも2着と好走した実績があり、前走は内にモタれて参考外と言ってもいいラッキーライラック、近走安定した成績を残しているミエノサクシード、先行馬ながら東京コース得意のアエロリットまで押さえておく。馬券はフロンテアクイーンとレッドオルガの2頭軸で流してみる。