高速馬場も展開次第で差し届く
東京競馬場での5週連続のGⅠ開催の幕開けを飾るNHKマイルC(芝1600m)。今年は桜花賞馬グランアレグリアや皐月賞4着から挑むアドマイヤマーズなど、例年以上に豪華メンバーがそろい、レベルの高いレースになりそうだ。
まずは4月27日と28日に東京競馬場で行われた芝コースの馬場傾向を振り返ってみよう。

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芝コースでは全11レースが行われたが、土曜日は雨の影響もあって稍重でのレース開催となった。そうした中でも、トラストケンシンが勝利した秩父特別では1:33.5、上がり33.8と速い時計が記録されており、雨の影響はさほどなかったと言えるだろう。
晴れ間が広がった日曜日は良馬場に回復し、3歳500万下でも1:32.9という好時計になったほか、ラヴィングアンサーが勝利した晩春Sでは1:19.5、上がり32.7は特出すべき時計だったということができ、かなりの高速馬場だったということができる。
カメラマンとして開幕週、先週と実際に芝コースにも足を踏み入れる機会があったが、先週の方がやや草丈が短く感じたため、そのあたりが時計にも影響していたのかもしれない。
脚質別では逃げ・先行が5レース、差し・追込が6レースと、大きな有利・不利はない馬場状態だったということができ、ペース次第でどの馬にもチャンスがある馬場状態だと言ってもよさそうだ。
穴は末脚が武器の差し・追込馬
馬場状態から推奨したい本命馬は、グランアレグリア。前走、桜花賞での1:32.7は過去10年の勝ち時計と比較しても最も速いものだった。また、東京コースでの実績も(2,0,0,0)と文句なし。新馬戦でマークした1:33.6という時計を叩き出せる能力があることからもコース適性はNo.1だと言える。
さらに、ルメール騎手は桜花賞からGⅠ騎乗機会4連勝がかかるし、馬主のサンデーレーシングは桜花賞、天皇賞・春に続いて春のGⅠ戦線3勝目を狙っている。時代が変わっても両者の勢いは止まることはないはず。ここは相手探しのレースになりそうだ。
相手筆頭はアドマイヤマーズで仕方ないだろう。前走の皐月賞では、動きだすタイミングが遅れ、思い描いていたレースにはならなかった。2着となったヴェロックスのようなレースができていれば、上位3頭ともっと僅差のレースになっていただろう。今回は得意のマイル戦だということからも、巻き返しは必至。高速馬場への適性はグランアレグリアには及ばないだけに、デムーロ騎手がどのような騎乗を見せるのか注目が集まる。
これらの人気2頭はいずれも前目での競馬が予想される。それを頭に入れて楽な競馬にはさせまいと考えてくる陣営もいるかもしれない。このように前が速くなった時に穴で狙いたいのは、上がり33秒台前半を使える差し・追込勢だ。
その筆頭として、ヴィッテルスバッハを取り上げたい。前走のニュージーランドTでは道中後方を追走し、直線大外に持ち出されると1頭だけ次元の違う脚で追い込んできた。2走前には東京コースで32.9という上がりを使っての勝利もある。今回も自慢の末脚に期待したい。
その他、2走前に東京で上がり33.0での勝ち鞍があり、前走のアーリントンCでも3着と好走したトオヤリトセイト、距離短縮で力を見せつけたいファンタジストまで押さえておく。