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ダノンファンタジーは桜花賞馬の素質があるのか?過去のデータから見えたものとは?

2019 4/4 16:16三木俊幸
ダノンファンタジー,インフォグラフィック,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

2歳女王の桜花賞制覇なるか

桜の女王の座をかけて争われる桜花賞(GⅠ・阪神 芝1600m)。2009年の優勝馬で、その後牝馬三冠を制したアパパネ以来、2歳女王による同レース制覇は成し遂げられていない。

そこで今年10年ぶりの制覇に挑むダノンファンタジーは、歴代の桜花賞馬に匹敵する力を兼ね備えているのか分析していく。

ダノンファンタジー,インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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時計、上がりは完璧

過去10年の桜花賞についてのデータを見ていくと、2017年が稍重だったのを除いて9回が良馬場で開催されている。最も速い決着となったのが、2018年アーモンドアイが勝利したレースの1:33.1というタイムだった。逆に2015年のレッツゴードンキが勝ったレースは、良馬場にも関わらず1:36.0と、かなり時計を要する馬場でのレースとなったが、平均すると1:34.1というデータが出ている。

ダノンファンタジー,インフォグラフィック,ⒸSPAIA

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ダノンファンタジーはデビュー戦で1:33.9という時計をマークしている。さらに阪神JF、チューリップ賞ともに1:34.1で走破していることからも、時計面からは桜花賞馬になれる条件はそろっていると言えるだろう。

続いて上がり3Fのタイムを見てみよう。こちらは2014年のハープスターが唯一32秒台の上がりを使って勝利している。タフな流れになることも多く、平均すると34.0と平凡な上がりタイムとなっていることからも、ある程度の瞬発力は必要であるが、持久力も必要だということが見て取れるだろう。

この点においてもダノンファンタジーの平均上がりは34.0で過去の桜花賞馬の平均と同じタイムで、最速の上がりも33.7と瞬発力と持久力を兼ね備えているため、桜花賞馬になれる条件は満たしている。

いずれのデータも許容範囲内

馬体重については、500kg台の馬は一頭もいなかった。最も軽量だったマルセリーナが452kg、最高はジュエラーの494kg、平均すると469kgで、中型馬でないと厳しいというデータが出ている。ダノンファンタジーはこれまで新馬戦以外全て460kgで出走している。桜花賞馬の平均馬体重よりは軽い数字となっているが、許容範囲内の馬体重だと言えるだろう。

ダノンファンタジー,インフォグラフィック,ⒸSPAIA

そして桜花賞までに使ったレース数では、平均4戦と余計なレースは使わないということが大事だというデータが見られる。新馬を勝利し、2歳重賞を1戦または2戦、そして3歳になってから桜花賞の前にひと叩きする。これが理想のローテーションだと言えるだろう。

新馬戦こそグランアレグリアの2着に敗れたため、未勝利戦を使うことになったダノンファンタジーだが、それ以外は全て重賞を使われており、ほぼ理想的なローテーションで桜花賞に向かうことができる。

走破距離については、中距離の1800m戦を使うことで走破距離が長い馬もいるが、過去の桜花賞馬の多くは、マイル戦を中心に使われていることから平均6480mというデータが見られた。5戦しているダノンファンタジーは7800mを走破しているが、余裕を持ったローテーションでのものであり、使い込まれているという心配は必要ない。

これら5つの項目を見ても、ダノンファンタジーに不安要素は一切見られなかった。阪神JFで2着だったクロノジェネシスや牡馬相手のGⅠでも3着と好走したグランアレグリアなど、強力なライバルはいるが、結論としては、「ダノンファンタジーは桜花賞馬の素質を兼ね備えている」と言ってもいいだろう。