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3度目の正直にかけるナックビーナス 馬場状態から見たオーシャンS

競馬
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ⒸSPAIA

高速馬場で先行力のある馬を狙え

高松宮記念に向けた前哨戦に位置付けられているオーシャンS(GⅢ・中山芝1200m)だが、難解な短距離重賞としても知られている。2018年は10番人気のキングハートが勝利し、3連単134.890円の高配当を演出した。今年も波乱が起こるのか、それとも堅く収まるのか注目が集まる。

まずは馬場状態について分析していこう。開幕週の中山競馬場は、雨の心配があったものの良馬場でレースが行われ、日曜日の中山記念では1.45.5という高速タイムが出る馬場となった。勝ち馬の上がり3Fの平均は34.7と一見するとかかっているように見えるものの、1800m以下のレースの上がりを見てみると34.3と、速い上がりが要求される状態だということが見てとれる。脚質では先行勢が好結果を残しており、ある程度前目につけられる馬を狙うのが良さそうだ。

今週は週中、週末に雨がぱらつく予報も見られるが、土曜日の中山競馬場は晴れ予報となっていることから、引き続き高速馬場でレースが行われると仮定し、予想していきたい。

狙うはカーバンクルSに出走した馬たち

本命は、3度目の正直で勝利を狙うナックビーナス。

オーシャンS分布図,ⒸSPAIA

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過去2年のオーシャンSでは、いずれも2着という成績を残しており、今年も好走が期待される。中山コースの適性も(2,5,1,1)と高く、前走のカーバンクルSでは牝馬ながら58kgを背負い2着、しかも時計は1.07.2と今の馬場適性にもバッチリと当てはまる。後述する勝ったモズスーパーフレアは53kgと5kgの斤量差があったことを考えると、同斤量の今回はナックビーナスに分があるのではないかと考える。

対抗はペイシャフェリシタ。中山コースは(2,1,0,2)と得意にしており、1分7秒台の時計での好走歴も多い。キーンランドC、カーバンクルS共にナックビーナスと僅差のレースをしており、展開ひとつでチャンスはありそうだ。

3番手はモズスーパーフレア。前走の1.07.0という時計での逃げ切り勝ちは、単純に強いという印象をファンに植えつけた。同型馬との兼ね合いが気になるところだが、スピードは同馬が一枚上だと見ている。中山コースの成績は(2,1,0,0)と得意にしているうえに、今回も似たような高速決着となりそうで、人気が予想されるからといって軽視することはできない。

前が速くなった際に浮上しそうなのが、ダイメイプリンセス。ベストは平坦コースかもしれないが、スプリンターズSで4着という実績を考えれば、このメンバーなら突き抜けてもおかしくない。ひと叩きされ、デムーロ騎手を鞍上に迎えて勝負気配が漂う。

そして最後にカイザーメランジェを取り上げておく。前走のサンライズSでは道中6番手を追走。直線、力強く抜け出すと後続に0.4秒差をつけて快勝だった。時計1.08.0はカーバンクルS組に比べると劣るが、このメンバーに入ってもやれる素質はありそうだ。

昨年の短距離王者、ファインニードルがターフを去った現在のスプリント路線は混戦模様。オーシャンSを制して高松宮記念へと弾みをつけるのはどの馬か、見逃せない一戦だ。