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【阪急杯】今年は藤沢和厩舎のスターオブペルシャが波乱の立役者か?

藤沢和雄
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1400mの距離が話をややこしくさせる

2月24日に行われる高松宮記念(GⅠ・芝1200m)の前哨戦、阪急杯(GⅢ・芝1400m)。「1200mでもなく、1600mでもない」と当たり前のことを言ってみるが、それを言いたくもなるくらい厄介なコースである。

その理由は2つある。1つ目はそもそも1400m戦というのは、1200m、1600mに比べて施行される回数が少ないこと。昨年1200m戦は1年を通して320レース、1600m戦は299レース行われたのに対して、1400m戦は182レースしか行われていない。クラスが上がれば上がるほど、レース数も減っていき、狙っても頭数制限で出られないことも多く、デビューから1400mしか使わず阪急杯参戦まで辿りついたような馬は聞いたことがない。

2つ目の理由がこのレースの予想を一番ややこしくさせるのだが、1200mを主戦にしている馬、1600mを主戦にしている馬が入り乱れることだ。ここに出走した馬からスプリンター、マイルのチャンピオンが両方出ているように、阪急杯には実力馬も出てくる。

以上の2つの理由で阪急杯は難解なレースなのである。このような特異な距離なら、得意としている馬がいるのでは?と思われがちだが、直近5年でこのレースのリピーターは、GⅠでも勝ち負けできるくらい力があるミッキーアイルくらいで、後はいない。

過去5年の1~3着馬

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昨年、このレースを勝ったダイアナヘイローに安易に飛びつくのは危険かもしれない。

ディープインパクト産駒が1位でない条件

難解なコースなだけにデータに頼りたい。まずは過去5年の阪神芝1400mの種牡馬別成績から。

過去5年の阪神芝1400mの種牡馬別成績

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先週の京都牝馬Sの予想の時も書いたが、ディープインパクトは芝の短距離で成績が落ちる傾向にある。芝でディープインパクト産駒の勝ち星が1位でないデータを久々に見たような気がするが、複勝率3割越えはさすがと改めて思う数字だ。

短距離巧者のサクラバクシンオーの勝率が飛び抜けて高いが、残念ながら今回は産駒が参戦していない。阪神開催は今週から約2か月行われるのでどこかで役に立ちそうなので覚えておきたいデータだ。

次は騎手別成績。

過去5年の阪神芝1400mの騎手別成績

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上に挙げた騎手の数字が高い。その他はガクッと落ちるため、実績のある騎手から買う方がベターだろう。

最後に冒頭で述べたように1400mはマイル、スプリントを主戦にしている馬が参戦してくるので、結局前走どの距離を使った馬が馬券圏内に来ているのか見てみる。

過去13年の前走距離別成績

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複勝率は1400、1600m組がいいのだが、1200mは勝率がいい。ただ、代わりに複勝率はガタッと落ちる。挙げてはみたものの、予想するのに余計迷うデータとなった。

阪神芝1400mならそろそろ藤沢和雄厩舎の馬がくる頃か

騎手がある程度実績があり、ダイワメジャーもしくはディープインパクト産駒からいくのがベターか。ただ、今回は該当する馬がいない。というより、上記で挙げたデータ全てが該当するような馬が1頭もいない。そこで、馬券で役立ちそうなデータを一つ挙げておきたい。それが藤沢和雄厩舎の数字のよさだ。

過去5年の藤沢和厩舎の阪神芝1400mの成績

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阪神芝1400mでは上記のように数字が良く、回収率も単勝回収率139%、複勝回収率140%とかなり高い。阪急杯が阪神1400mになってから、藤沢和厩舎は2頭出走させているがともに圏外。そろそろ圏内があってもいいのではないか。今回は昨年末に行われたGⅡの阪神カップで3着だったスターオブペルシャを出走させる。

この馬、芝1400mで13回出走して、馬券圏外になったのが2回だけとかなり堅実。データ的にダイワメジャー産駒の項目に該当していることからも狙ってみる価値はありそうだ。

相手にはミスターメロディを推す。前走で右回りコースでも結果を出せたのは収穫。前でうまく立ち回ることができ、デビュー以来掲示板を外していない堅実さも持ち合わせている。レッツゴードンキ、ダイアナヘイローと人気を分け合う形となりそうだが、管理する藤原英昭厩舎が過去5年で1~3番人気の馬を出走させた場合、勝率25.1%、複勝率が57.0%とかなりの成績。「堅実な馬×堅実な厩舎」のタッグに期待したい。馬券はこの2頭の馬連、ワイドで勝負。

ちなみに、へたに飛びついてはいけないといった昨年の覇者ダイアナヘイローだが、昨年末に今回と全く同じ条件の阪神Cを制覇。阪神1400m重賞春冬連覇を果たした。このレースのリピーターはGⅠで勝ち負けできる馬といったが、この馬はGⅠに2回出走し18、15着。確かに実績はないが、過去には阪神芝1400mの重賞といえば、サンカルロという馬がいたのを覚えているファンも多いのではないだろうか。

1200mでもGⅠで善戦したが、阪神1400mの時のこの馬は伊達ではなかった。特異な条件だけに出走してくるたびに、馬券を買う方は軸にしやすくありがたい馬であった。脚質が全く違うが、実はダイアナヘイローはサンカルロの再来?となるべく、阪神芝1400mのスペシャリストの地位を築けるのだろうか。馬券以外にも楽しみである。