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【フェブラリーS】二度あることは三度ある! 馬券で押さえておきたい3つの条件とは?

2019 2/15 15:00門田光生
コパノキッキング,ⒸSPAIA
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ⒸSPAIA

東京ダート1600mの外枠が有利なのは本当?

フェブラリーSが行われる東京1600mのダート戦は、外枠が有利とされている。その要因はコース形態にある。この条件はスタート直後に芝を走る。これが全馬同じ距離を走るのなら問題はないのだが、コースの特性上、外枠の方が芝を走る距離が長くなる。例えダートが得意な馬でも、芝の方がスピードに乗りやすく、これが外枠有利といわれるゆえんである。

果たして本当にそうなのか気になったので、過去5年、東京ダート1600mのフルゲート(16頭)戦のデータを調べてみた。なぜフルゲートに限定したかというと、16頭立てになると、1つの枠に2頭ずつ入るのでサンプルが均一になること、そしてより外枠の馬が長く芝を走るので影響が出やすいのではないかと考えたからである。

枠順別成績,ⒸSPAIA

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言われる通り勝率、連対率とも内枠の成績がひと息。連対率だと外へ行くほど良くなっており、外枠有利の格言は正解といえるだろう。ちなみに、過去10年のフェブラリーSの連対率はというと、1枠から順に【1,5,1,1,1,2,6,3】となる。なぜか2枠が圧倒的な数字を誇るが、他は外枠が有利。迷ったら外枠を選択するのが吉と出そうだ

1番人気は信用できる

ここ5年を見ても1番人気がきっちり馬券に絡んでいて、力通りに決まることが多い印象がある。

過去5年の前走成績,ⒸSPAIA

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あと、上位馬の前走は根岸Sや東海Sといったトライアルレースか、GIやJpnⅠという格の高いレースを使った馬だった。GⅠ以外の路線では3着以内に入った馬がほとんどだが、唯一の例外は5年前のコパノリッキー。これはしんがり人気の大駆けだったし、この馬自身ものちにダートの頂点まで上り詰めたように能力を秘めていた。王道路線を歩んできた実績馬を狙うのがよさそうで、上り馬や芝などの他路線からの参戦組にとっては厳しい傾向がある。

過去5年の血統成績,ⒸSPAIA

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上記の表は同じく過去5年の上位3頭の父、および母の父の系統を表にしたもの。ミスタープロスペクター系とサンデーサイレンス系の好走率が他を圧倒しているのがよく分かる。父系としてエーピーインディ系が4回登場しているので、この系統が出走してくれば押さえてもいいだろう。

ミスタープロスペクター系は、アメリカのダート競馬で大活躍している系統だ。日本でも活躍馬が多数出ているが、足抜きのいいダートへの適性が抜群に高い。つまり時計勝負に強いということなのだが、これは芝並みの時計が出るアメリカのダートに状態が近くなるからではないかと推測している。東京のダートコースは他場に比べて時計が出やすく、それがこのレースでも実績を残している要因の一つといえるだろう。

サンデーサイレンス系は後継種牡馬の数も多く、どんなカテゴリーにも顔を出してくる。ただ、このレースに限っては父系で登場した4回全てがゴールドアリュール産駒。サンデーサイレンス系というより、注目すべきはゴールドアリュール系といっていいかもしれない。

再度過去5年の上位馬を並べてみたが、馬名に色が付いているのは過去5年で2回馬券に絡んだ馬である。これを見ると、完全なリピーターレースといっていい。

過去5年の成績,ⒸSPAIA

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今年の出走馬で過去に馬券圏内のある馬はゴールドドリーム、ノンコノユメ、モーニン。この3頭は当然ながら要注意だ。

復権へ!ゴールドドリーム

これまでのデータを踏まえ①前走がGⅠもしくは重賞で3着以内、②父、もしくは母の父がゴールドアリュールかミスタープロスペクター系の系統、③過去に好走経験がある馬。この3点で絞っていきたい。

まず①だが、それなりの人気が予想されるサンライズノヴァ、モーニンが消える。②はほとんどの登録馬がこの条件に当てはまっているという難儀なことになっているので、ひとまず置いておく。③は上記に書いたようにゴールドドリーム、ノンコノユメ、モーニンの3頭。モーニンは①を満たしていないので、ゴールドドリームかノンコノユメかの二択だが、ゴールドアリュール産駒がのべ4回連対していることを考えると、軸はゴールドドリームにするのが正解か。

ゴールドドリームは東京大賞典で上がり馬オメガパフュームに後れを取ったが、直線で追いだしを待たされた分の差が出ただけ。今回は同斤量になるし、まだ世代交代がなされたと考えるのは早計。このレースとの相性の良さとデータを後押しにして再度頂点に立つ。

相手は全ての項目をクリアしたノンコノユメは当然ながら有力候補。連勝中のインティは相性のいいミスタープロスペクター系が父と母の父に入っている。これは2年前の3着馬カフジテイクと同配合。前走が初重賞勝ちというのも同じなので相手に入れておきたい。

オメガパフュームは父がミスタープロスペクター系、母の父がゴールドアリュールだから、このレースに相性のいい系統同士の配合。大外枠が当たったのも好材料である。

サンライズノヴァも父がゴールドアリュール、母の父はミスタープロスペクター系という好相性同士の配合で、さらに近親にフェブラリーSを勝ったサンライズバッカスがいるという完璧な血統なのだが、上記に書いたように前走の根岸Sで圏外なのが惜しい。

あと1頭挙げるならクインズサターン。父はここ5年で4頭が馬券に絡んでいるエーピーインディ系の種牡馬で、母の父はゴールドドリームの母の父と同じ系統。東京コースも得意としているので相手候補に入れておこう。

最後に藤田菜七子騎手騎乗のコパノキッキングの話題にも触れないわけにはいかないだろう。日本人女性騎手として初のJRAGI騎乗として話題先行の感はあるが、好メンバーの根岸Sを勝っている馬で能力的に遜色はない。鞍上の藤田菜七子騎手も1年目より2年目、そして3年目と勝ち星を増やしているように確実に騎乗技術が上がっている。GⅠは普段のレースと比べてプレッシャーが格段に違うと思うが、とにかく平常心で全力を出し尽くし、そしてぜひその雰囲気を楽しんでレースに臨んでほしいと思う。