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香港競馬の4歳クラシックが開幕 豪ダービー馬ダークドリームは3冠を狙えるか

香港の馬場,Ⓒゲッティイメージズ
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Ⓒゲッティイメージズ

香港は日本と違い4歳がクラシックシーズン

ダービーは競馬関係者が一度は獲得したいビッグレース。日本では3歳の4月からクラシック戦線がスタートするが、香港競馬では4歳の冬から春にかけてスタートする。SPAIAでは、香港ダービーまでのクラシック3レースを注目して追いかけていきたい。

2019年の4歳クラシックの日程は以下の通り。
1月27日 香港クラシックマイル(L・芝1600m)
2月17日 香港クラシックカップ(L・芝1800m)
3月17日 香港ダービー(L・芝2000m)

1月27日にシャティン競馬場でクラシック第1戦、香港クラシックマイルが行われる。香港クラシック戦線に乗るために、3歳秋の開幕に合わせて、海外から多数の馬が移籍してくる。人気が予想されるのは、全てクラス2(香港競馬はGⅠからクラス5までに分類される)を勝ち上がったばかりの馬たちだ。

日本ではほとんど注目されることはないが、日本馬の出走も予想される4月のクイーンエリザベスⅡ世カップやチャンピオンズマイル、暮れの香港国際競走に向けても、その知識を生かすことができるだろう。馬券が発売される予定のレースもあるだけに、今から知っておいても損はないはずだ。では、今年のクラシックで期待されている馬をご紹介しよう。

3冠への期待も高まるダークドリーム

まず紹介したいのがダークドリーム。この馬は2018年のオーストラリアのクイーンズランドダービー(GⅠ・芝2200m)の優勝馬だ。このレースで好走し、香港に移籍した馬の中には2015年の2着馬ワーザー、2016年の優勝馬イーグルウェイなどがおり、近3年の優勝馬はいずれも香港に移籍している。中でも、ワーザーは2016年の香港ダービーを制覇。昨年は宝塚記念にも参戦して2着になったのは記憶に新しい。

香港に移籍後のダークドリームの成績はクラス2のレースで2戦1勝だが、前走12月23日の芝2000m戦が圧巻だった。道中6番手を追走し、直線に向くと後続をぐんぐんと引き離して4馬身半差の圧勝だった。さすがオーストラリアのダービー馬と思わせる内容だった。



初戦は3着に敗れているが、着差はハナ差という内容だった。ハンデが127ポンド(約57.6kg)だったことを考えると、全く悲観するものではない。1600mよりは2000mに適性がありそうだが、レーティング104ポンドはこの世代トップ。初戦の香港クラシックマイルで勝利することができれば、3冠達成も十分ありえるだろう。

強い年長馬と戦ってきたフローレ

続いて紹介するのはフローレ。同馬もオーストラリアからの移籍馬だ。オーストラリアで最もレベルの高いシドニー地区で行われる3冠レースの2戦目、ローズヒルギニー(GⅠ・芝2000m)で3着という実績がある。香港に移籍して2戦0勝だが、内容の濃いレースを見せている。

移籍初戦の勝ち馬コンテ(セン5)は、先週20日に行われた古馬のGⅠスチュワーズカップ(芝1600m)で、年度代表馬ビューティージェネレーション相手に2着に食い下がった。

前走1月6日に行われた1600m戦は、香港クラシックマイルに出走する馬が多数出走するレースだった。結果は3着に終わっているが、ハンデが129ポンド(約58.5kg)と重く、同じ4歳でこのレースを移籍初戦で初勝利を飾ったカーインスターとは11ポンド(約5kg)の差があったことを考えるとフローレの力は上位と言えるだろう。



また同レースで2着となったイージーゴーイージーウィンにも注目したい。オーストラリアでデビューし、2歳秋に香港へ移籍。移籍初戦で勝利して以降勝ち星はないが、昨年3月25日の1600m戦では、1.34.23という速い時計で2着。同レースを勝ったシンプリーブリリアント(セン5)は、その後GⅢを勝つまでになった馬だ。同世代限定のレース、マイル戦なら十分チャンスはありそうだ。

スーパリッチはマイル適性あり

最後に12月29日に行われた1400m戦も重要な参考レースだ。勝ったミスターソーアンドソーは、中団で脚をためる競馬でレースセンスが高い印象を受けた。どちらかといえば、スプリントからマイル戦に距離適性がありそうだが、連勝と勢いに乗ってクラシック戦線に向かうからには軽視はしないほうがいいだろう。



2着となったスーパリッチは、直線で馬群を割って追い込んできた。これまで8戦して全て3着以内に入る堅実ぶり。1000〜1400mしか経験がないが、このレースを見る限り、距離延長はプラスに働くだろう。何とも不気味な存在だ。