「スポーツ × AI × データ解析でスポーツの観方を変える」

仕上がりの早いスピード馬を輩出 新種牡馬ジャスタウェイの魅力

競馬
このエントリーをはてなブックマークに追加

ⒸSPAIA

父と違って産駒は仕上がり早

2歳種牡馬ランキングで今、注目の種牡馬がいる。それは新種牡馬、ジャスタウェイである。12月2日時点で、14勝は新種牡馬としては上出来である。それより意外だったのは仕上がりの早さ。新馬戦が始まって、夏競馬が終わるまでに9勝を挙げた。

なぜ意外なのか。現役時代のジャスタウェイは日本ダービーの時は112倍の単勝オッズが付いていたくらい注目されていなかった。初めてGⅠを勝ったのが4歳秋の天皇賞。そこからドバイデューティーフリー(現ドバイターフ)、安田記念とGⅠを勝ったのだが、仕上がりはかなり遅い方だったのだ。

競馬は「ブラッドスポーツ」と言われるほど、血の影響力がある。ジャスタウェイの父、ハーツクライは有馬記念であのディープインパクトに日本では唯一土を付けた馬。父系だけ見ると、ここまで早くから産駒が活躍するのはやはり意外である。

もうひとつ意外なことがある。それは勝ち上がった産駒の約半数が先行、もしくは逃げて勝っているということだ。父、ジャスタウェイは後ろからためにためて、切れ味を武器としていたタイプ。出足がそこまで速くなかった父に比べて、産駒は行きっぷりのいい馬が多い。

まだまだ成長力がありそう

なぜこれだけ走るのか。生き物全般に共通することだが、血統は父が半分、母が半分なので、母系の影響が大きいのかもしれない。母系はバリバリのアメリカ血統。アメリカ産駒は体が強く、体力面では優れているという。逆に日本で多くいるヨーロッパ血統は非力な馬が多く、仕上がるのに時間がかかると言われている。

また、ジャスタウェイ産駒の母は短距離馬が多いことが、前に行けるだけのスピードのある馬が多い理由なのかもしれない。

そう考えると、ジャスタウェイ産駒は「女の血」が強く出る傾向にあるのかもしれない。ただ、それに加え、父系の仕上がりの遅さがあるのなら、まだまだ伸びしろが眠っている可能性もある。ディープインパクトの去年の種付け料が4000万。ジャスタウェイが300万。未知なる部分に夢を託すのもロマンがあり面白いかもしれない。