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大舞台で抜群の勝負強さ! 日本を愛するイタリア人 ミルコ・デムーロ

デムーロ
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ⒸSPAIA

“ミルコ”の愛称でファンから愛される存在に

お茶目で明るい性格と流暢な日本語を操る。そして日本人よりも日本を愛する男、それがミルコ・デムーロだ。競馬ファンからは”ミルコ”の愛称で親しまれ、愛される存在となっている。

1994年に母国イタリアで騎手免許を取得すると、翌1995年には見習騎手リーディングを獲得。そして1997年から2000年までの4年連続のリーディングジョッキーになる活躍を見せるなかで、1999年に初来日した。2001年には小倉大賞典(GⅢ)で重賞初勝利をマークし、短期免許で騎乗した3か月で40勝を挙げる大活躍。以降毎年短期免許を取得し、2015年3月からは外国人初のJRA所属騎手として活躍している。

2017年はJRA最高勝率騎手を獲得。さらに重賞レース18勝、GⅠレースではすべて異なる馬で6勝を挙げたのに加え、JRAのGⅠ実施機会10戦連続3着以内と、大舞台で結果を残した。この勝負強さこそがミルコの真骨頂だと言えるだろう。

弟のクリスチャンも現在フランスを拠点に活躍しており、日本にも短期免許で頻繁に来日している。クリスチャンがインタビューを受ける際には通訳を務めることもある。

そんなミルコのラッキーアイテムはてんとう虫。イタリアでは、てんとう虫は”幸せを運ぶ虫”と言われていることから、使用している馬具にはてんとう虫が描かれている。競馬場に足を運んだ際にはぜひチェックしてほしい。

ファンの記憶に刻まれるGⅠレースの数々

GⅠ初勝利は2003年中山競馬場で行われた皐月賞で、ネオユニヴァースとのコンビによるものだった。前哨戦のスプリングステークス(GⅡ)を制した後に、1番人気に支持された皐月賞。道中は中団からレースを進め、ゴール前では2番人気のサクラプレジデントとの一騎打ちとなったが、追い比べを制しアタマ差で優勝した。初GⅠ勝ちを決めた嬉しさのあまり、ゴール後サクラプレジデントに騎乗していた田中勝春騎手のヘルメットを叩いたという事件(!?)は記憶に残っているファンも多いのではないだろうか。また同年の日本ダービー(G1)もネオユニヴァースとのコンビで優勝し、外国人騎手で初のダービージョッキーとなった。

さらに2011 年3月11日に発生した東日本大震災の直後にドバイで行われた世界最高峰の国際レース、ドバイワールドカップ(GⅠ)をヴィクトワールピサで制した際には、喪章に手を添え、涙を流しながら「日本人のために祈っていた」とコメントするなど、観る人の胸を熱くする騎乗を見せてくれた。

2012年に天皇皇后両陛下が行幸啓された天皇賞・秋(GⅠ)をエイシンフラッシュで制した際には、スタンド前で立ち止まり、馬から降りて片膝をつき天皇皇后両陛下に頭を下げたシーンも有名だ。その姿は競馬ファンのみならず、多くの人に感動を与えた。日本は”第二の故郷”だと発言するなど、心から日本を愛してくれているデムーロ騎手。今後も私たちの心に響くレースを繰り広げてくれるだろう。