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障害レースもおもしろい!中山グランドジャンプの楽しみ方

2017 8/3 14:10ユタロー
競馬
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Photo by Dennis W Donohue/Shutterstock.com

競馬は土や芝の平地をどれだけ速く走ることができるのかを競うものだと思いがちだが、障害物競走というレースもある。迫力ある馬の躍動する姿は、平地を走る馬とはまた違う興奮と感動を与えてくれる。 今回は中山グランドジャンプの楽しみ方について紹介する。

障害競走とは

馬がジャンプをするというと、馬術競技のようなイメージがある。馬術の障害飛越競技は、ジャンプの美しさも競うが、競馬の障害競走においてはジャンプの美しさは関係なく、平地競技と同様にゴールへと到達した順位を競う。
ライバルとのスパートのタイミングを読み合うだけでなく、障害を越えていく必要もあるので、馬と騎手とのコンビネーションが試される競技だ。非常に迫力のある競技であり、熱くなる。

中山グランドジャンプの歴史

中山グランドジャンプは、JRAが中山競馬場で開催するGIレースだ。このレースは、1934年に中山競馬倶楽部の理事長を務めていた人物が、東京優駿に負けないようなレースを作りたいということで開催された。
当時は「大障害特別」と呼ばれており、春と秋に開催されていた。平地レースとは異なり、総距離は4250mと距離が非常に長くなっている。途中には通常の竹柵や生け垣に加えて、高さ160cmの大竹柵や大生垣などが配置されている。

中山グランドジャンプの出走資格

中山グランドジャンプの出走資格は、サラブレッド系の障害4歳以上の馬に限られる。また、平地競走の場合は地方競馬所属の馬でも出走できることが多いのだが、中山グランドジャンプでは、JRAに所属している馬と外国調教馬のみに出走資格が与えられる。
また、負担重量は定量制となっており、4歳で62kg、5歳以上で63kgとなり、牝馬の場合はそれぞれ2kg減となる。平地レースよりも重い設定となっている。

過去の記憶に残る場面とは

中山グランドジャンプには、さまざまな記憶に残るシーンがあるが、その中でも最も印象に残ったのが、2015年4月18日に開催されたレースだ。
前年の中山グランドジャンプ覇者のアポロマーベリックが、スタート早々に逃げの一手で先頭を走る。しかし、序盤からそのアポロマーベリックを追い続けたアップトゥデイトが、第3コーナーで抜き切り見事優勝を飾った。
この時の騎手は、ベテランの林満明騎手だった。年間最多勝利障害騎手や優秀障害騎手賞などの輝かしい記録を持っている騎手だが、GI制覇はこの時が初めてだった。林騎手の嬉しそうな表情が印象的だった。

中山グランドジャンプの動向

競馬は、予想もしていなかった不人気の馬が優勝してしまうような波乱がある。ただ、近年の中山グランドジャンプについては、あまり大荒れしないことが多く、2017年も一番人気のオジュウチョウサンが1着になった。素直に1番人気、2番人気、3番人気がレースを制覇している印象が強い。

まとめ

一風変わった障害レースである中山グランドジャンプについて解説した。 たくさんの馬が大竹柵や大生垣などの障害を越える姿を近くで見ると、その雄姿に圧倒される。日頃とは違う馬の姿を、ぜひ一度見て欲しい。