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「単回収率425%」GⅠで無双状態の川田将雅騎手 2歳戦に強い種牡馬、騎手、調教師を徹底検証

2歳戦に強い種牡馬、騎手、調教師,ⒸSPAIA
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2歳GⅠ開幕

今週末は阪神競馬場で世代最初の2歳GⅠ・阪神ジュベナイルフィリーズが開催される。三冠牝馬リバティアイランドやGⅠを3勝するソダシなど、数々の名牝たちが制してきた一戦だ。

今年は重賞勝ち馬不在のメンバーとなったが、無敗での戴冠を目指すアランカールやマーゴットラヴミーなど、未来のスター候補たちが2歳女王の座を目指して集結した。

この阪神JFを皮切りに、地方では全日本2歳優駿、中央では朝日杯フューチュリティステークスにホープフルステークスと、今後は2歳馬による頂上決戦が立て続けに行われる。出走馬のキャリアが浅く予想の手がかりが少ない戦いだけに、血統や騎手、調教師といったファクターの重要度が相対的に上がってくる。

そこで今回は「2歳戦に強い種牡馬、騎手、調教師」をデータで徹底検証。2020年12月12日から2025年12月7日の直近5年分データを対象に、「2歳戦で買える条件」を紹介する。


芝特化のエピファネイア

2歳戦に強い種牡馬,ⒸSPAIA


■エピファネイア
勝利数は種牡馬別で断トツ。芝とダートで成績に大きな差があるのが特徴で、全149勝の内訳も芝141勝に対してダート8勝とかなり偏りがある。

芝のなかでも東京(112%)、中山(152%)、阪神(158%)、小倉(159%)の4場で単回収率100%超えをマーク。この4場かつ芝1800m以上なら単回収率159%、複回収率111%と妙味たっぷりだ。

■キズナ
2歳戦は全体でも単回収率112%と非常に優秀。芝は単回収率がプラス域で、ダートは複回収率がプラス域とオールマイティーな成績を残している。

こちらも距離は長い方が良く、芝の1800m以上で単回収率166%、複回収率102%と素晴らしい成績。ダートも1600m以上で複回収率113%を記録している。

また、ダートの内枠を苦にしない産駒が多いのも特徴で、1〜4枠で単回収率143%をマーク。ダートの2歳戦において内枠はマイナス要素となりがちだが、キズナ産駒に関しては圧倒的に買いである。

■シニスターミニスター
直近のダート2歳戦で圧倒的な強さを誇り、回収率は単勝144%に複勝116%と2歳戦ではベタ買いでOKだ。

特徴としては、砂被りを苦にする産駒が多いため内枠よりも外枠の方が好成績。5~8枠では単回収率193%、複回収率144%の好成績。ただし「シニスターミニスター産駒は外枠で狙え」も徐々に知れ渡ってきたのか、8枠単体では単回収率48%、複回収率97%と妙味がない。“外枠のシニミニ”は大外枠だけ取り扱いに注意が必要だ。


川田将雅騎手が西のGⅠで無双状態

2歳戦に強い騎手,ⒸSPAIA


■松山弘平
2歳戦は全体の単回収率が108%とプラス域。芝・ダートの両方で高水準な成績を残しており、2歳戦で積極的に狙っていきたい騎手だ。

芝ではマイル以下が狙い目で、単回収率は143%にアップ。また、競馬場別の成績では東京、京都、小倉で単回収率100%超えを叩き出しており、特に東京は【9-15-5-41】単回収率283%、複回収率141%と破格の成績を残している。

ダートでは東京と中山が狙い目。東京では【5-1-3-20】勝率17.2%、単回収率120%を誇り、中山も【2-1-1-4】勝率25.0%、単回収率196%と単勝はどちらもベタ買いでプラスだ。

■川田将雅
期間内の通算複勝率は驚異の62.4%をマーク。素晴らしい安定感を発揮している。

なかでも2歳GⅠでは鬼のような強さを発揮しており、その成績は【5-1-0-2】勝率62.5%、単回収率425%とまさに無双状態。特に関西で行われる阪神JFと朝日杯FSに関しては【4-1-0-0】連対率100%を誇る。2歳戦、とくにGⅠでは逆らえない騎手だ。

■三浦皇成
こちらも2歳戦全体の単回収率が116%と非常に優秀。芝・ダートの両方で単回収率100%超えを果たしており、2歳戦ならベタ買いでOKだ。

芝では新潟、東京、中山での成績が優秀。特に新潟は単回収率200%超を記録しており、芝1800mなら【5-6-1-13】勝率20.0%、単回収率499%と凄まじい成績を残している。

一方、ダートでは新潟のほかに東京と中京が優秀で、単回収率100%超えをマークしている。また、外目の枠ならさらに信頼度がアップ。5〜8枠では【15-12-7-60】勝率16.0%、単回収率139%でこちらも狙い目だ。


高野友和厩舎のマイル戦に注目

2歳戦に強い調教師,ⒸSPAIA


■高野友和
直近ではジャンタルマンタルで2023年の朝日杯FSを制覇。2歳戦はダートと芝の両方で複回収率が100%を超えており、特にダートは【13-11-7-23】複勝率57.4%、複回収率226%と驚異的な成績を残している。

芝では1600mが狙い目で、マイル戦は【17-6-1-25】勝率34.7%、単回収率319%をマーク。今年は1勝しかできていないが、引き続き注目が必要だ。

■鹿戸雄一
直近の代表馬と言えばエフフォーリアがおり、2歳GⅠでも2022年の朝日杯FSでレイベリングが3着に好走した。こちらも芝・ダートの両方で単複回収率が100%を超えている。

特にダートは【7-7-4-14】複勝率56.3%、複勝回収率130%と安定感抜群。なかでも中山では【5-2-2-7】勝率31.3%、単回収率203%と非常に優秀な成績を残している。

芝は夏競馬での活躍が目立ち、6~9月は【11-12-7-18】複勝率62.5%、複回収率131%と凄まじい成績だ。また、芝も中山が得意で【15-11-4-38】勝率22.1%、単回収率132%をマーク。中山では条件問わず積極的に狙っていきたい。

■松永幹夫
今回の集計期間外ではあるが、ラッキーライラックで2017年の阪神JFを制した実績を持つ。こちらは芝で単回収率181%、ダートは複回収率が157%と、狙い目は異なるがどちらも優秀な成績を残している。

なかでも盟友・横山典弘騎手とのコンビが鉄板で、【7-1-4-14】単回収率159%をマーク。前走からの継続騎乗に限れば【6-1-0-5】単回収率224%にアップする。

複勝率で見ると芝が33.9%なのに対し、ダートは49.2%の高水準。特にダート1800mでは【11-4-5-15】複勝率57.1%、複回収率159%と素晴らしい成績。該当馬がいれば無条件で紐にいれるべきだ。

《ライタープロフィール》
東大ホースメンクラブ
約30年にわたる伝統をも大学の競馬サークル。現役東大生が日夜さまざまな角度から競馬を研究している。現在「東大ホースメンクラブの愉快な仲間たちのブログ」で予想を公開中。

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