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【チャンピオンズC】12番人気Vの“あの馬”を彷彿とさせる歩み 安定感抜群テンカジョウに熱視線

2025 12/3 18:00逆瀬川龍之介
チャンピオンズC 激走馬の条件,ⒸSPAIA
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過去10年で3連単万馬券が9回

チャンピオンズカップは一筋縄ではいかないレースだ。

直近は目下7年連続で1~4番人気が勝利している一方、過去10年のうち2019年を除いた9回で3連単万馬券が飛び出し、かつ6番人気以下が少なくとも1頭は馬券に絡んでいる。ヒモ荒れ、時には大荒れまであるレースといえるだろう。

そこで今回は、直近10年で6番人気以下から馬券圏内に食い込んだ12頭をチェック。その共通項を見つけ出した上で、今年の激走候補をピックアップしたい。

■GⅠ実績
人気薄といえども、ある程度の実績は欲しい。該当12頭を見ると、うち8頭には前年秋以降のGⅠ級で3着以内の実績があった。前走で大きく崩れていても、GⅠ級で勝ち負けの実績がある馬には要注意だ。

・2015年
1着 サンビスタ(2014年JBCレディスクラシック1着ほか)

・2016年
1着 サウンドトゥルー(2015年東京大賞典1着ほか)
3着 アスカノロマン(2016年フェブラリーS3着)

・2017年
1着 ゴールドドリーム(2017年フェブラリーS1着)
3着 コパノリッキー(2017年かしわ記念1着ほか)

・2020年
3着 インティ(2019年チャンピオンズC3着)

・2023年
3着 ドゥラエレーデ(2022年ホープフルS1着)

・2024年
3着 ドゥラエレーデ(2023年チャンピオンズC3着)

ちなみに、残りの4頭に関しても例外なく同年秋のダート重賞で3着以内があったことを付け加えておきたい。

<今年の該当馬>
・アウトレンジ
・ウィリアムバローズ
・ウィルソンテソーロ
・サントノーレ
・サンライズジパング
・シックスペンス
・テンカジョウ
・ナルカミ
・ペプチドナイル
・メイショウハリオ
・ラムジェット
・ルクソールカフェ

■栗東所属
東西の比較をすると、美浦所属馬【4-3-2-22】勝率12.9%、複勝率29.0%に対して栗東所属馬は【6-7-8-100】勝率5.0%、複勝率17.4%と出走頭数の差が大きく、好走率では美浦所属馬が圧倒的優位となっている。

ただし、美浦所属馬の好走はほとんどが人気馬。人気薄で激走した12頭を見ると、実に75%にあたる9頭が栗東所属馬なので、迷ったらそちらを上に取ろう。

<栗東所属馬>
・アウトレンジ
・ウィリアムバローズ
・オメガギネス
・サンライズジパング
・セラフィックコール
・ダブルハートボンド
・テーオードレフォン
・テーオーパスワード
・テンカジョウ
・ハギノアレグリアス
・ハピ
・ペプチドナイル
・ポッドロゴ
・メイショウハリオ
・ラムジェット

■逃げor追い込み
伏兵は極端な脚質の馬から狙いたい。該当12頭について、隊列が落ち着いた2角の位置取りに注目すると、ちょうど半分の6頭が3番手以内のポジションを確保していた。

一方で、残る6頭中5頭は同10番手以下からの食い込み。したがってペースが落ち着いた時の逃げ馬、あるいは流れた時の追い込み馬に要注意だ。


サンビスタの再来に期待

位置取りを除く2つの条件を突破したのはアウトレンジ、ウィリアムバローズ、サンライズジパング、テンカジョウ、ペプチドナイル、メイショウハリオ、ラムジェットの7頭となった。

なかには上位人気想定馬も含まれており、またどの馬もノーチャンスではないが、脚質面を考慮すると前ならウィリアムバローズ、後ろならテンカジョウに注目したい。

まずはウィリアムバローズだが、今年の3戦は13着→2着→4着なのでムラ駆けのイメージ。ただ、1800mに限ると重賞2勝を含めて目下6戦連続で馬券圏内とかなり安定している。

あえて不安材料を挙げるなら、ナルカミやダブルハートボンドなどの有力馬と同脚質ということ。ハイペースに巻き込まれてしまう可能性はある。

その点、テンカジョウは流れが向きそう。JBCレディスクラシック2着からの臨戦、かつ大崩れのない戦績は2015年に単勝66.4倍の12番人気で優勝したサンビスタと酷似している。

出遅れ癖がネックだが、デビューから12戦連続で3着以内の安定感は特筆できる。3連複のヒモには必ず加えておきたいし、穴党の皆さんには是非とも軸に据えて勝負していただきたい。

《ライタープロフィール》
逆瀬川龍之介
国内の主要セール、GIのパドックはもちろん、時には海外のセリにも足を運ぶ馬体至上主義のライター。その相馬眼を頼りにする厩舎関係者、馬主は少なくない。一方、マニアック、かつ実用的なデータを駆使して、ネット媒体や雑誌などにも寄稿するなど、マルチな才能を持っている。

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