今年から阪神芝外回り1800mに
阪神競馬場の前身が鳴尾にあったことを伝える鳴尾記念は夏と冬を行ったり来たりを繰り返していた。そもそもレース創設当初は6月と12月の阪神開催どちらでも行われており、鳴尾記念(春)(秋)が存在していた。これが1954年に年1回の夏だけになった。
その後、春開催に行われた時期を経て、87年から12月に移る。この年の勝ち馬はタマモクロスだった。10年後の97年には6月に戻り、芝2000mに。この年の勝ち馬はバブルガムフェロー。宝塚記念の前哨戦として出走だった。
00年には12月に移され、06年、コース改修によって生まれた芝外回り1800mに変更された。これが12年に6月になり、芝2000mに戻った。そして、今年、またも12月になり、芝外回り1800mに。
鳴尾記念と聞いて、夏をイメージするのか、冬を感じるのか。競馬をはじめた年代によって違う。なにかと施行時期も距離も変更されてきた彷徨う重賞は、この条件でいつまで行われるかわからないが、とにかく今年からは暮れの芝外回り1800mなので、間違えないようにしよう。
過去10年データは意味をなさないので、今回は2016年以降、阪神芝1800mの古馬3勝クラス以上、計48レースのコースデータを使用して今年の鳴尾記念を展望する。

人気別では1番人気【10-8-6-24】勝率20.8%、複勝率50.0%を筆頭に3番人気以内が31勝と比較的堅調。勝率も3番人気20.8%に対し、4番人気は10.4%と下がり、6番人気になると2.1%とさらに下降する。ようは人気がアテになるコースだ。
それもそのはずで、直線がAコース使用で473.6mと長く、理想的なレース運びで最後に末脚を繰り出せる馬が有利。人気になりやすいタイプに向くコースである。

阪神らしいデータとして馬体重別成績をあげる。頭数のせいでもあるが、500~518キロ【10-7-7-74】勝率10.2%、複勝率24.5%、520~538キロ【4-5-2-25】勝率11.1%、複勝率30.6%と大型馬の成績がいい。
外回りとはいえ、最後に急坂が待ち受ける阪神ではパワー型に利がある。これは中山の傾向と似ており、迷ったら大型馬という作戦が有効だ。

向正面スタートのワンターンとシンプルなレイアウトのため、一見、枠順の有利不利はなさそうだが、データでは偏りがみられる。8枠が【13-7-6-68】勝率13.8%、複勝率27.7%と7枠から内に比べると、確率が高い。
17頭以上の場合、8枠は3頭入るので、頭数もほかの枠より多い。好走数も増えるが、分母も増える。そんな状況で勝率13.8%と高いのは、注目すべきデータだろう。
なぜ8枠が強いのか。考えられるのはペースだ。阪神外回りは長い直線を意識したスローペースが多い。京都のような下り坂もないので、後半の仕掛けも遅い。団子状態で進む馬群では、8枠は不利も受けにくく、ストライドを伸ばして走りやすい。
外を回る距離ロスは存在するが、外回りの3、4コーナーは緩やかであり、ロスも抑えられる。全体的に自由が利く分、8枠が有利なのではないか。
















